第186話 春の海チョーク引くごと船進む
その出張の目的は、舞鶴引揚記念館の訪問でした。
太平洋戦争が終結したあと、中国大陸などに置き去りにされた日本人が引揚船で続々と帰って来ましたが、総計66万人の帰国者の入口となったのが舞鶴港です。
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面談後、館長さん自ら館内を案内してくださり、そのまま外へ出て『岸壁の母』の碑が立つ丘の上の公園へ。絶壁の眼下に見下ろす若狭湾は、まさに絶景でした。
地理の教科書に載っていたリアス式海岸の美しく入り組んだ地形を一望し、晴れ渡った空よりも青い海に白い航跡を引いて進んで行く大型船を遠望しながら、夫や息子の帰還を待って舞鶴港に通いつづけた妻や母たちの慟哭を聞いておりました。
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