Happy Lucky Soda Magic!

七瀬モカᕱ⑅ᕱ

ハピハピ!

「よいしょ.......っと。」

 八月ももう終わりに近いある日、私は学校に向かっていた。いつもなら、この時期はまだ夏休み。でも高校三年生ともなるとそうもいかない。

 私は大学受験を控えているから、学校の部活に加えて夏期講習なんかもあったりして余計に忙しい。


「よし、今日はちょっと早く着けた。」

 私は、あまり人の来ない場所に移動して音楽を聴いていた、今日は珍しく最近流行りのアイドルの曲がスマホから流れてきた。


「ハーピハピ......」

 気分よく耳元で流れている歌を口ずさむ、これは早く着けた時の楽しみというか.....私はこの為に早く着けるように頑張ってる面もある。


「何してんの?」


「うわっ?!」


 私は音楽に夢中で後ろから近づいて来る人に気が付かなかった。

 私が驚くと、その子はニッコリ笑って『おはよう。』と挨拶をしてくれた。


「すっごい楽しそうだったじゃん、何聴いてたの?」


「これ聴いてた、あのさ......隼人はやとくん、いつから居たの?」

 本当に私は夢中で、全く気づかなかった。

 私の質問に隼人君は少しニヤッと笑って、『ハーピハピって口ずさんでたあたり?』と答えた。

 かなりはじめの方から見られていたのか.....そう思うとすごく恥ずかしくなる。

 隼人君はその様子に気づいたのか『可愛いからいいじゃん』なんてもっと恥ずかしくなるようなことを言う。


「そんなことないから、あっ.....ほらっ!授業始まるから...っ、行くよ!車椅子押さなくていい?」

 私がそう聞くと『うん、大丈夫。いつもありがとね。』とニコニコ笑ってそう言ってくれた。

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