「わずかな光」(けやき坂46)

 この曲は初めて聞いた時、心が震えました。そもそも、けやき坂46、が僕の中で形を持ったのは、この曲も収録されている「走り出す瞬間」を買ってからで、だいぶ遅い。それより前から欅坂46のアルバムを聴いていたので、けやき坂46の声は知ってたはずが、まだ「ひらがな」と「漢字」がうまく分離できていなかった。

 それが「期待していない自分」でぐわっときて、そこへこの「わずかな光」で飲み込まれた。

 この曲の歌詞は、「ひらがな」の時代らしい、「けやき」の色のあるテイストで、「日向坂46」とはやっぱり違うかな、と思います。日向坂46のハッピーオーラはまだなくて、身を切るような、切なさと苦しさみたいなものが強い。

 とにかく気持ちを歌い上げる曲で、僕はどういうわけか、その気持ちがすごくそばにあるものに感じる。寄り添うというよりは、まるで自分の影みたいというか。聞いていて、明るい気持ちにはなかなかなれないのに、聞き返してしまいます。

 それでも僕の中では特別な一曲で、あるいは「ひらがなけやき」というグループを象徴しているかもしれません。

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