日向坂46

　不思議な感覚で染み込んでくる曲で、ささやかな励まし、と感じる曲です。「笑顔は連鎖していく」という歌詞がありますが、励ましであり、励ましてあげたい、というような、水面を波紋が広がっていくような印象です。

　生きているとしんどいこと、つらいこと、苦しいことが多くあるのは誰もが共通する感覚で、その一方で、そばにいてくれる人がいる。これは僕の主観ですが、人生の中で誰かがそばにいたことを理解すると、今はその人がいなくても、なんとなく支えられている気がする。自分に自信が持てる、というよりは、自分も捨てたものじゃなかった、というような、やや弱い支柱ですが。そういうものが、僕がこの曲を聞く時に考える、ささやかな「励み」です。

　それはそうと、誰もそばにいない、いなかった、という人もいるかもしれませんが、そんな人にこそ、この曲が意味を持つんじゃないかな、と思います。この曲に含まれている「幸福感」、「温かみ」みたいなものが、染み渡ってくることが、「支え」になりますように。

　それにしても、僕自身はなかなかこの曲の歌詞のようには達観できないのに、この曲の歌詞みたいに考えることができればいいのに、と繰り返し感じます。そして過去のどこかで、正体不明の「穏やかさ」みたいなものを探し出して、自分の葛藤をなだめることになるのです。

　なんだって許せれば、少しは楽なのでしょうねぇ。