第7-18話 休暇⑥ガールズトークと怨霊
2035/09/11 22:10 松の間内寝室の座敷、八畳間 美空・香織
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この部屋はいつも通りでした、ガールズトークは咲きませんでした。
「消灯時間も過ぎましたし、寝ましょうか?」と香織さんがおっしゃいました。
「そうですね明日は激しいですものね、寝ましょう」と私がいって寝ることになりました。
ガールズトークではありませんが、別の話題が咲きました。
「ここの支払いどうなっているんでしょうね?」と私がいいます。
「それは私も気になっているところです」と香織さんがおっしゃいました。
2035/09/11 22:10 松の間内寝室の座敷、八畳間 彩名・静香
「そういえば、美空ちゃんと香織ちゃんって浮いた話が一つも出てこないですね」と静香さんがいいました。
「ガードが堅いからではないでしょうか、それに職場の方が魅力的な方が多いのでは? 昼間はおじさんばっかりとは言ってましたが、誰にも魅力的とはつけておられませんでしたし、それにおじさんの定義もあいまいです」と鋭いところに突っ込んだ彩名さんがいました。
2035/09/11 22:10 松の間内寝室の座敷、八畳間 加奈子・茜
「お昼のあの話どう思います?」と茜さんが、加奈子さんに聞いていました。
「あの話ってガールズトークの? 私は普通だと思いましたけど」という答えを加奈子さんは返しました。
そこで終いになりました。
2035/09/11 22:10 松の間内宿部屋の座敷、八畳間 紅葉
ガールズトークがまったく花咲かない部屋もありました。
紅葉さんの一人部屋です。
2035/09/11 24:00 松の間内寝室の座敷、八畳間 香織・美空
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二十四時を過ぎたころ、部屋の室温が急速に下がり湿り気を帯びた風が顔めがけて吹き付けてきました。
さしもの私も異様な気配と合わせてダブルパンチです。
美空さんが先に起き、私を起こしてくださいました。
部屋の隅に低音の瘴気の元と影が現れたり消えたりするのです。
一般には怪奇現象ですが、我々
事前に何か聞いていれば対処も緩やかになるのですが、今回は聞いていませんでした。
古語で美空さんがその怪奇現象に話しかけました。
「そちは何者ぞ、なぜ我々の眠りを妨害するのか? 返答次第では滅してもらう」といわれました。
対象は特に何も言わず、恨み言の一つも言わず、ただ黙って沈黙を続けるのみでした。
寝まきのままでしたが、美空さんが“大祓え”を打ちました。
まだ相手は消えません。
怨念が強いのか恨みがたまっているのかそのどちらかかと思われた際に、巻き塩をしもう一度“大祓え”を打ちました。
私は五胡鈴を用意します、美空さんが御神刀を抜き放ちました。
流石に背後を向いていたのでは勝負にならないと踏んだのか、磯臭い香りを漂わせながらソレがこちらを向いたのです。
なんと心中した御遺体でした。
美空さんは“怒雷”の術を解き放ちます。
さすがにこれは効いたのか対象が壁際まで寄ります。
私も黙ってみていたわけではありません、不動明王火界呪を解き放ちます。
これで消えなければ相当量の怨念か怨霊という事になりますがそこまででした。
消えていきます。
私たちは御神器の類をしまい込み、元あった状態に戻しました。
2035/09/12 00:15 松の間内寝室の座敷、八畳間 香織・美空・彩名・静香
室温も元に戻り、部屋に漂っていた寒気も消し飛びました。
異常を感じ取った隣の部屋の彩名さんと静香さんが部屋の外においででした。
「何かありませんでしたか?」と彩名さんが聞いてこられました。
「何か知っておいでなのですか?」と逆に聞き返します。
「何名かのお客様がこの部屋に泊まった際に異様な影や、寒気がしたと話しているのを聞いただけなのですが、何か出たんですか?」と逆に聞かれてしまいました。
部屋割りの際は、美空さんが神社の娘さんだから何か対策を知っているのでは? と思って部屋割りを意図的に決めたという事を話してくれました。
「私たちでよかったと思いますよ」と少し眠そうな表情の美空さんがいいました。
「多分もう出ないでしょう」ともつけ加えたのでした。
「次からは正式に依頼してくださいね」と私がいい検非違使のパスカードを彩名さんだけにお見せしたのでした。
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