第4-x02話 天元突破

2035/08/06 11:20


参田さんだ修二しゅうじと申します」とおっしゃいました。


神無月かんなづき美空みそらと申します。濃紫こきむらさき様から、朽名輪くちなわはらう方法があると聞いてやってきた次第です」と聞きます。


「祓うのではなく、天に返すのです」とおっしゃったのです。


「それには万人もの魂を喰らうと聞きましたが、それは捨て置けません」それにはこう答えました。


「濃紫様と貴方が協力して天に返すのです。まずは濃紫様に力を取り戻していただく必要がございます」とおっしゃられました。


「どのようにすれば力が戻るのですか? 私にできる事でしたら何としてでも……」と言いました。


「他にも必要なアイテムがございます。時の秤と赤縄と白縄がそれぞれ一万本づつ」とおっしゃられたのです。


「時の秤は出雲大社に安置されていると聞き及んでおります」ともおっしゃられたのでした。


「出雲大社……」としか言葉が出ませんでした。




「まずは、左腕の腕輪ブレスレットをこちらへ頂いてもよろしいですか。力の源と等価交換いたします」とおっしゃられたのでした。


「これは、御爺様から渡された大切なもの、そう簡単に渡すわけには――」と言いました。



「天に返せなくてもよいのですか?」おっしゃいました。


「それは困ります! しかし……」と言いました。


「それ以外の方法は無いのですか?」と聞きました。


「面目ありませんが、それしか方法は無いのです」と寂しそうにおっしゃられたのでした。



 これには、折れないわけには参りませんでした。


 左腕の腕輪を外して渡します。


 濃紫様が一粒の球を外すのと同じくして、差し出された数粒の球を食べていきます。


 この時点で濃紫様は白蛇であることが解かったのでした。


 全て食べ終えた時、濃紫様は金色に輝いておられました。


 そのまま私の左腕手首に巻き付かれました。


 輝きは収まりましたが、私のほうが色々力が付いたような感じが致しました。



2035/08/06 16:00


 まずは出雲大社に行くのに列車を使用します、この時間からですからサンライズ出雲が使えると思い近い駅まで送って頂きました。


 もちろん巫女装束のままです。


 そのまま列車に揺られ、サンライズ出雲に乗り換え出雲まで一直線に向かいます。


 切符を買う時は多少変な目で見られましたが、私が思いつめたままでいると切符を発行してくださいましたし、親切にしていただけました。


 今日は帰れませんとメールを御爺様と御婆様に送りました。


 出雲大社に一番近い駅から、タクシーで出雲大社に向かいました。


 その後、入り口では止められなかったので社務所まで行き、こちらの意図を伝えます。



 そして秤を借りられないかお願いしてみたのです。


しかし時間が遅かったということと、急な訪問に加え国宝級の物品を貸し出すなどできない。


 と丁寧に断られてしまったため、仕方なく帰りも同様の手順で戻りました。



2035/08/07 06:00


 戻れたのは朝方でした、次の日が学校であるためできれば、今日中に片付けなければなりませんでした。


 家には戻らずに、そのまま朽名輪のもとへ向かったのでした。


 対処するためにです、そして救うためにでした。




 その時でした。


 いままで一言も話していただけなかった濃紫様が言うではありませんか、「力ならすぐかたわらにあるはずだと」


 朽名輪の前まで行きました。


 今度はさっきの状態とは違いました神々こうごうしい程、力に満ちあふれていることが解かります。


 今なら、やれると思いました。




 「そなた昨日とは気配が違うな、なぜそこまでの力が溢れ出ておる!」と朽名輪が言います。


 「貴方の業を全て解放させてもらいます」と私が言い切りました。



 「何をするつもりじゃ」といって朽名輪が祭殿側に下がります。


 そして眠そうな八辻渚先輩を呼び出したのです。


 私との間に……でした。



 そして濃紫様の言葉通りに「時の秤をここへ」と言いました。


 出雲大社の結界を壊さずに中から、時の秤が現れたのです。


 丁度私と先輩の間に時の秤がありました。



 そして濃紫様の言葉通りに「右手に赤縄せきじょう一万本」と言いました。


 その瞬間、秤の右側に赤縄が一万本ほど盛って、ありました。


 そして濃紫様の言葉通りに「左手に白縄はくじょう一万本」と言いました。


 その瞬間、秤の左側に白縄が一万本ほど盛って、ありました。


 丁度秤が釣り合った状態になったのでした。


 その瞬間、私と時の秤が神々しい輝きに包まれたのです。



 そして私が言いました。


 「赤縄と白縄よ朽名輪の業を導きなさい」と言ったのでした。


 次の瞬間、朽名輪の姿が神々しく輝くと天元突破てんげんとっぱしたのです。

 高天原に帰ったのでした。



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