第68話 独身女達のおでん会議
近所の同級生で女子は私を含めて3人いる。確か9月頃の話だったと思うんだけど、車庫のスペースでおでんを食いながら話してたんです。連絡も最近は取っていないし、会っても居ないんだけど狭い田舎だからさ、自然と何かしらの情報が出回って来るのだが、そういうのが特別入ってこないって事は、前回あった時と変わらないって事なのだろうなと思った。案の定そうだった。
軽くスペックを紹介する。
上田あっすぅ(私)
身長デカい、体重は筋トレのし過ぎでやつれてしまう。酒と煙草している。音楽と漫画とアニメを愛してる。事故で喉を潰している。見かけはバンギャ、和柄の服を着ている奴。精神やっつけてる。経営が怪しい病院を先生としている。そして詩を書いている。ネット弁慶。十年以上恋人は居ない、初体験を失敗し処女のまま。
やなちゃん
175センチある私よりも身長がデカい。かなりクールな見た目をしている。実家のお寺を継いでいて、剣道・空手・柔道を子供達にも教えられる腕前。スポーツとしてではなく人生の修業として武道にのめり込み過ぎており、好きな男性は「私よりも強い人」なのだが巡り合えない。だけど、ジャニーズみたいな見かけが好きなのでかなり厳選される。私よりも恋愛経験がなくて付き合った事がない。私と同じ貞操を守っている。
ともちゃん
確か150センチ代の身長。ぽわーんとして可愛い見た目と声。だけど本物の天然ボケで、付き合いの浅い人から冗談抜きで知的の問題を疑われてしまうレベル。付き合う所までは行くけれど、結婚となると相手側が不安になって別れるを繰り返している。唯一の性経験ありなので私とやなちゃんの中では尊敬されている。
こんな三人でおでんを突きながら何を話し合うのか?特別盛り上がる事もなく、盛り下がる事もないテンションで、宮城にまだ残っている同級生の行方だとかですね。アイツは結婚したとか、付き合ってるらしいぞ、子供が出来ているらしいよみたいな話をまずはしちゃいますよね。20代の頃は結構更新されたし、式を挙げる奴もいて1・2次会だけでも呼ばれたりなんてあったけど、もうそういったのはなくなりましたよね。
次に聞いても分かんない所はあるけれど、仕事はどうなんだい?ってのは一応しますよね。まぁ…私以外はボチボチなんですよね。特別変わった事も無いんですよね。むしろ、コロナもあって何だかんだ町はずっと停滞しているしね。退屈な日々を過ごしています。別にこの中でも観光だとかしても良いんだろうけどさ、私は身分的にキッチリしないといけないし、貧乏病院だから出掛けられないんだよね。
恋愛トークは修学旅行の時よりは知性がついたのか、旦那に必要なもの、自分は恋愛が向いているのか?、彼女や妻として大切なものとは?など小難しい話題になっている。だけどそれを話している時はけっこう酔っ払っていて、普段は気が強いやなちゃんが泣き虫女の子になって終わるのが定番だ。
「私達はずっと一人だよ!もし60歳まで独身なら一緒に住もう!」なんて号泣していましたね。何を言ってんだよ!と思いながらも私も酒で多少は酔っているので釣られて涙を流すってのはありましたね。
皆さん、私たち三人の幸せを祈って欲しいです。
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