一発ギャグやりまーす。

水嶋 穂太郎

第1話 占い

 学校の昼休み。

 クラスメイトのA君が机に突っ伏していた。


 なにかあったのかと声をかける。


「A君なにかあったの? ぱっと見、死体のような格好をしているけど」

「ああ、Bか。うるせぇ、今日は最悪だったんだ」

「最悪?」

「そう、今日の占いでおれの星座が最悪だったんだよ」


 それを聞いたBは意外だと思った。


「豪快なA君にしては繊細な悩みだね」

「どうとでも言え」


 A君は力なく机にほおをくっつけたままだ。

 なので、Bはそれとなく会話を続けてみる。


「ぼくも占いは見るけど最悪になったことはないよ」

「おまえ、宇宙人か異世界人だったのか……」

「ラノベや漫画の読み過ぎ。ちゃんと地球人です」

「じゃあなんでだ? 最悪にならない星座なんて存在するわけないだろう」


 Bは、ふふふと不敵に笑った。

 A君も興味深そうに顔を上げる。


「占いはなにで確認しているんだい?」

「朝のテレビでやってるやつだな」

「ほぼ同時刻にやってるけど微妙に時間がずれてるよね?」

「そうだな」


 Bの目がきらりと光った。



「ならいい結果を出してくれたチャンネルに変えて、それを信じればいいんだよ」

「ズルじゃねえか……」



「でも占いなんてそんなものでしょ」

「…………」



 A君は頬杖をついてBを見る。


「あほらしくなってきたぜ」

「占いなんて適当だよ適当」


 BはA君を元気づけるように快活に笑みをつくった。


「友人より難あり」

「なにそれ」

「今日の占いに出てた結果だ」

「大ハズレでよかったね!」

「大当たりだ、馬鹿やろう!」


 その後もA君は同じ占いのチャンネルを愛用しているという……。



 テレビの占いなんて当たるも八卦(はっけ)当たらぬも八卦。

 いちばんよい結果を信じて一日を過ごしましょう。


 

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