求めるモノは。

籟夜

序章 あの日

 求めるモノは人それぞれ違う。愛だったり、恋だったり、まあなんとバラバラなのか。自分はそのどちらを選ぶのかと言われたら、どちらを選ぶのか。そんなの私にはわかりっこしない。だって私なんか間抜けな中学生なのに。

 毎日毎日自分を責めて、いつも辛い思いをして、憂鬱な気分になって・・・・・・私の心は雨模様。いつだって雨模様なんだ。いつも傘をさして、自分をかさの中に閉じ込めていないと、雨にあたって、もっとつらいことになる。そんなの分かっていた。

 あの日が来るまでは。

 あの日の朝。何か特別な感じがした。昨日とは全く変わっていないのに。何気ない日常の物語が、今、始まった。

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