第344話 元気付けてやろう!

『『『『『『『『『っ!?』』』』』』』』』



 おぉー! なかなかに良い反応!!

 ぷぷっ、一国の王たる者達のくせに間抜けな顔で唖然としちゃってっ!!


「ふふっ」


 けど……その程度で驚いて貰っては困る、面白いのはこれからなのだよ!!

 さぁ! 戦慄せよ! 恐怖せよ! そして、自分達が一体誰と敵対してる状況にあるのかを知って顔を青褪めさせて無様に震えらが良いっ!!



『そんで、負けた俺らはアイツから罰を受けた。

 俺らが見聞きした魔神レフィーに関する全てを他者に話せ無いってのもその1つだ』


『その事について話せるのは同じく口止めされた者達の間でだけよ』


『それも、アイツが許可したからだ。

 クックック、負け犬同士、傷の舐め合いでもしてろってな』


『だから今まで私もガスターもマリアナもクリスもこの事を皆んなみんなに伝える事はできなかったってこと』


『……その通りです』



 にゃはっ! 国王共のビックリした間抜けな顔も笑えるけど。

 クリスのあの態度! 一応、外面は取り繕ってるみたいだけど内心は……


 私に対する嫌悪と憎悪に怒り。

 そしてそれを遥かに上回る恐怖!!

 ふふっ、呪いが発動する事を恐れて、良い感じにビクビクしてるじゃん!



『順を追って話すとすると、まず最初は俺だ。

 ノア、俺がアクムス王国にある悪魔王国の大使館に斥候として潜入したのは覚えてるだろ?』


『もちろん』


『あの時に俺は魔神レフィーに負けた』


『っ! おのれ魔神め……!

 冒険王と謳われるガスター殿が敗北するなどと、一体どのような卑劣な手を……!!』


『おいおい国王共てめぇら、勘違いしてんじゃねぇよ。

 俺じゃあ勝負にすらならずに一方的に弄ばれただけだ。

 ありゃあ、アイツは楽しんで遊んでやがったぞ』



 うんうん、鬼ごっこをしたりして一方的に嬲ってやったな。



『そして、アイツに負けて罰を与えられた』


『そんなっ!』


『ガスター、キミが受けた罰は……』


『それは聞かない方が良いと思うぜ。

 なぁ、リナ』


『っ──!!』


『まぁ、とにかくだ。

 だから俺は忠告したハズだ、あの国には関わるな。

 手を出すなってな』



「んん〜!」


 アバズレ聖女のあの焦ったような顔っ!!

 あぁ〜、この光景を眺めながら食べる輝く宝石のようなショートケーキはめちゃくちゃ美味しいっ!


 まぁ、確かにガスターの罰云々を詳しく説明するとなると、ガスターとアバズレ聖女が結んだ密約も関わってくるしな。

 もしそれをこんな状況下で、それも各国の王達の前で話されたら……


 ふふっ、あはっ! あはははははっ!!

 アバズレ聖女が焦るのも当然だな。

 もし密約の事を暴露されたら、誰にでも心優しい聖女様のイメージが崩れちゃうもんね。



『次は私。

 その次はクリス、そしてこの前のヴァリエ騎士王国で行われた聖位闘技大会の時にフェリシアが一方的に敗れたわ』


『っ!! 一方的では無いっ!

 アレはあの卑劣な悪魔がっ──がぁっっ!!』



 あ〜らら、卑劣な悪魔とか言っちゃうから呪いが発動しちゃったじゃん!!



『なっ!?』


『クリスっ!!』


『これは……』


『なんて事だ……』



 クズ勇者とアバズレ聖女。

 熾天使の2人以外は驚き過ぎて声も出ないか。

 まっ! 突然クリスの右腕が服を引き裂いて膨れ上がって、化け物みたいな下級悪魔の腕に変化したらこんな反応にもなるか。



『コレがクリスが受けた罰。

 女神アナスタシアを信仰するクリスには、彼女を……魔神レフィーを敬い崇めて信仰しなければ悪魔になる呪いを受けたわ』


『ぐっぅ……っ!!』


『そんな……』


『クリス……』


『全ての魔法の真理を追求した私は罰として魔法を奪われた。

 ガスターも、フェリシアも同じようなものよ。

 各々、大切なものを罰として奪われたわ』



「もぐもぐ……ふぅ〜」


 さてと、美味しいケーキも食べた事だし。

 マリアナ達の話を聞いてクズ勇者共もかなり暗い空気になっちゃってるし。

 そろそろ、ちょっとしたサプライズでもして、元気付けてあげるとしようっ!

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