第333話 楽しい余興 その2
「う、うそ……そんな、まさかっ!」
いいね! いいねっ!!
愕然としたその表情っ!!
ふふふっ、マリアナとはまた違ったいい反応をしてくれるじゃんか!
「ふふっ、あはははははっ!」
自分の力が……ユニークスキルである未来予知が消失した気分はどう?
「こ、こんな事が……!」
唖然と、呆然の私の顔を見上げるペトロのこの顔!
私とした事が、否が応にもついついニヤケちゃうわ。
「ねぇ、この未来は視えた?」
「っ……!!」
ふむ、おかしいな。
可愛らしく聞いたはずなのにちょっと怯えを含んだ目で睨まれた。
まっ、何はともあれ! これで未来予知のユニークスキルは手に入れたっ!!
『ぴろん!
ユニークスキル〝未来予知〟がユニークスキル〝神眼〟及びの付与魔法〝
手に入れた側から違うのに変わった……まぁ、権能の本質自体は変わらないだろうし別に良いか。
後で詳しく調べないと。
それよりも……
『貴様っ! ペトロに何をしたっ!?』
『もうやめてっ!
すぐにペトロさんを解放してっ!!』
『身動きの取れない相手に何をしたっ!』
外野が煩いなぁ。
まぁ同じ
けど……アバズレ聖女が! 何が、もうやめてっ! すぐに解放してっ、だ。
貴族共と結託して私を冤罪で殺してくれた癖に心優しい聖女アピールすんな! 虫唾が走るわ!!
それに、身動きの取れない相手に何をしただ?
自分のした事を棚に上げて……地下牢に私を鎖で拘束して拷問したヤツが何言ってんの?
「黙れ、クズ共」
『『『っ……』』』
そうそう。
何もできないんだから、
それに……ふふっ、この余興はまだ終わってないのだよ!
「ふふふ……」
「な、何をするつもりですか?」
別に痛めつけたり、殺したりするつもりは無いからそんなに怯えなくても良いのに。
何かアレだな、くっ殺の女騎士みたい。
ぷぷっ、熾天使がくっ殺って!
「実験」
「実験……」
さぁ! じゃあ遠慮なく、張り切って行きましょうかっ!!
「な、何をっ!」
身動きの取れないペトロの頭を掴んでっと。
「〝付与者〟」
「っ! な、何、これ……や、やめてください……!」
やめないし。
もう遅い。
だって付与者の権能はもう発動しちゃってるもん。
「あ、ぁああぁああっ!!」
『ペトロっ!!』
「あはははははっ!!
さぁ! 堕ちろっ!」
「ぁあっ──ぅ……」
気絶しちゃったか。
まぁこれは強制的な進化……自分の中を無理矢理塗り替えられたわけだし。
いかに熾天使と言えども気絶するのは当然か。
『っ! 翼が、黒く……
貴様ぁっ! ペトロに何をしたっ!!』
何ってこれを見て、まだわからない?
「堕天」
『なん、だと……』
付与者の権能でペトロに堕天の概念を付与した。
それによってペトロは強制的に堕天させられて、熾天使から堕天使に無理矢理、種族を変質させられたってわけ。
「ぅ……」
「ふふっ、おはよう」
「私は、一体どうなって……」
『ペトロっ!!』
「あぁ……そう、ですか。
私は……堕天、してしまったのですね」
『貴様っ! よくもペトロをっ!!』
はぁ、本当に煩いな、このクソメガネ熾天使。
「黙れと言ったハズ」
まぁどの道、パウロは他の熾天使3人と同じく叩き潰す予定だったし。
見せたい事は見せつけてやったからもう良いや。
『がぁっ!?』
右腕!
『貴さっ……』
はい! 左足っと。
『ぐっ……』
次は左の翼!
『っぅ──!!』
面倒だから残りは纏めて焼き切ってっと。
『っ……必ず、貴様は……』
「失せろ」
ふぅ、やっと静かになったわ。
ふふふ、この攻撃はノワールが他の熾天使共を始末した時と同じ
他の3人と違って首を刎ねると同時に胴体を熱線で貫いてやったけど……
「お前は私を侮辱した。
だからそのオマケ、感謝しろ」
って言ってももう聞こえてないだろうけど。
今頃、天界で魂を喰われる激痛にのたうち回ってるだろうし。
さてと、これで余興は終わりなわけだけど……
クズ勇者共は黙り込んじゃってるし。
国王共は目の前で起きた惨劇に腰を抜かしちゃってるじゃん!
ぷぷっ、アレが一国の王達とか嘆かわしいわ。
「余興はどうだった?」
『『っ……』』
「ふふっ、あはははははっ!
これは序章、楽しい
お前達はもう……逃げられない。
せいぜい私を楽しませろ、人間共」
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