第166話 もうちょっと遊んであげる
火炎・瀑水・暴風・轟雷・大地・深淵・神聖・時空の八属性を1つに複合して圧縮した虚無属性でも良いんだけど。
ターニャが使おうとしていた魔法は火炎属性の広域殲滅魔法だったし、それに合わせて火炎属性の
「……ぇ?」
唖然と声を漏らしたのは……まぁ、ターニャだけども。
そんな事はどうでも良い! 要は大事なのは雰囲気であって事実云々では無いのだ!!
ふふふ、皆んなポカンと口を開けて間抜けな顔を晒しちゃって!
この場にいる中ではトップクラスの実力者であるガスターの弟子たちも唖然としてるし……
「ふふん!」
ふはぁっはっはっ!! どうだ見たか! これが私の実力なのだよっ!!
ふっふっふ〜! さぁ愚かで醜く、強欲な人間共よ!
恐怖しろ! 畏怖しろ!
そして
魔神である私の力を崇めて、私の前に平伏すが良いっ!!
『嬉しそうで、楽しそうなところ悪いけど……良かったの?』
ん? 良かったって、何が?
『何がって、悪魔ちゃんねぇ……』
むぅ、勿体ぶって無いでお前も邪神とは言え男ならハッキリ言え!!
「う、うそ、だろ……」
「たった一撃で……!?」
「一瞬でこんな……」
「こ、こんなのって、あり得ない……!」
むっ、むふふ! そうでしょ! そうでしょ!!
流石は最もSランクに近いと謳われるAランク冒険者にして冒険王ガスターの弟子。
他の冒険者達や兵士達はまだ唖然と声も出ないのに。
私の圧倒的な、まさしく神の如き力を目の当たりにしたショックからいち早く立ち直ったみたいだな!
まぁ、立ち直ったと言ってもまだちゃんと目の前の光景を受け入れられずに唖然としてるけど。
それも仕方ないか。
何せ! 私の放った
「い、一瞬で……たった一撃で半数が。
10万人が消し飛んだ……」
その通り!
ふっふっふ〜! ターニャの言う通り、私の事をトカゲ野郎とか侮辱したSランク冒険者諸共、愚かにも侵攻して来た連合軍の半分程を文字通り消し飛してやったわ!!
そりゃあ、目の前で10万人が一瞬で塵も残らずに消滅したら唖然となるわな。
「っ! 連合軍の半数が消し飛んだなんてもんじゃ無い!
この広大な草原が! 背後に広がる森林が! 地形が変わったんだ!!」
……
「皆んな聞け! 俺はAランク冒険者、星屑の剣のアークだ!
全軍に通達する! 今すぐ撤退しろ!!
何があっても……例え隣にいる者が死んでも決して振り返らず、撤退する事だけを考えろ!!」
や……やっちゃった!!
アークがカッコよく拡声魔法を使って指示を出してるけど、そんな事はどうでも良い!
わ、私の! 私の別荘地がぁっ!!
『はぁ、調子に乗るからだよ?』
うぐっ、た、確かに久しぶりに畏怖されてテンションが上がって調子に乗った事は認める。
認めるけども! 私の草原……うぅ、ど、どどどどうしよう!? これは確実にこの後怒られる!!
「殿は俺達、星屑の剣が務める!
今すぐ全軍、撤退すんだ!!」
さっきから煩い!
やらかしちゃって、怒られるかもしれない……うん、しれない。
まだ確定じゃ無いよね? とにかく! 人が焦ってる時に騒ぎやがって……!
と言うか、そもそも、あのSランク冒険者が私を侮辱したのが悪いんだし。
それ以前に人間共が聖戦を謳って、欲に塗れた侵攻なんてしなかったらこんな事にはなって無い!
つまり! 草原とその奥にある森の半分……こほん、一部が消滅した事も。
ちょっとテンションが上がって10万人も殺しちゃった事も!
悪いのは全部人間であって私はなんにも悪くない!!
『いや、流石にその言い訳は通用しないと思うんだけど』
シャラップ!
消し飛ばしちゃった草原と森は後で元通りに修復すれば問題無いし。
兵士達だって、侵攻して来たからには逆に自分達が殺される覚悟もあったハズ。
うんうん! これは言い訳でも何でも無く、私は一切何も悪い事はしてないのだよ!!
さてと、そうと決まれば責任を人間達に擦り付け……げふん、げふん! まぁ、殆どの人間達は撤退……と言うよりも敗走してるけど。
ガスターの弟子達を含め、何人かはまだやる気みたいだし! これは相手をしないと!!
ふふふ! もうちょっと私の凄さを見せつけても……遊んでも良いよね?
うん、問題ないな。
まぁ、別に私はもっと畏怖されたいとか? もっと凄さを見せつけてやりたいとか? そう言った事は一切ないけど。
そっちがやる気なら仕方ない! もうちょっとだけ付き合ってやろじゃんか!!
「ふふふ、喜べ人間共。
もうちょっと遊んであげる」
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