第90話 こちとら免疫皆無なんだよっ!
「……っ!!」
はっ!! 今一瞬、完全に思考が飛んでたわ!
けどまぁ、それは仕方ないよね?
今の私は公爵令嬢だったレフィーの人格に地球で生きた記憶が混じった状態なわけだし。
そりゃあ多少は人格にも影響があるだろうけど、基本的には公爵令嬢として育った深窓の御令嬢なのだ。
生まれた時から第一王子……現在の王太子にして魔王を討伐した勇者であるノアールの婚約者としてそれはもう蝶よ花よと育てられてきた。
間違いがあってはいけないから、小さい頃から男性との接触なんて家族を除けば殆どない。
婚約者であるノアールともパーティーとかでエスコートする時に軽く手を繋ぐ程度。
つまり! 今の私には男性に対する免疫が無いに等しいっ!!
それなのに顔を上げると突然ファルニクスの顔が目の前にあったら……思考が停止するのも仕方ないな、うん。
『あはは、悪魔ちゃんって意外とウブだったんだね。
顔が真っ赤だよ?』
えぇい! シャラップ!!
仕方ないじゃん! さっき長々と言った様に、こちとら異性に対する耐性が皆無なんだよっ!!
『ふふふ、可愛らしい反応しちゃって。
悪魔ちゃんも、やっぱりまだまだお子様だね』
うぅ……もういい!
邪神なんてどうでもいい、とにかく恥ずかしい! 顔が熱いっ!!
と言うかこんな至近距離で何やってんの!? 頼むから早く離れてぇ〜!!
「それでレフィーお嬢様は……」
「ご安心を。
私の竜眼で観た限り
もう大丈夫です」
「っ!!」
「ご主人様! よかったですぅ〜!!」
「本当に……本当にレフィー様に何事も無くて安心しました」
えぇ……何これ?
何でシルヴィア達は涙ぐんでの?
「えっと……」
「こほん、申し訳ありません。
少々取り乱しました」
いや、それは別にいいけど。
そんな事よりもこの状況を説明して欲しい……皆んなが揃ったら説明するって、さっき言ってたし。
「レフィーお嬢様は突然の事で驚かれているでしょうが。
お嬢様がお眠りになられていたこの3日間、レフィーお嬢様はかなり危険な状態だったのです」
そりゃあ突然気絶して3日も寝込んでたわけだし何も無いなんて事はあり得ない。
それに血まみれミイラ状態からも只事じゃ無いのはわかってたけど……シルヴィアがここまで言うなんて。
知らない間にそこまでヤバイ事になってたとは……
「私が説明しましょう。
竜眼で確かめたから大丈夫だろうとは思うけど、私の事は覚えているかな?」
「覚えてる。
竜神ファルニクス」
そして私の事を幼女と言った……
「あ、あはは……キミが眠っている間に話は聞いたよ。
無神経な事を言ってしまって申し訳ありませんでした」
「……ん」
ま、まぁ、あの程度の事で怒った私も悪かったし。
今はそれどころじゃ無いし、今回の事は水に流してあげるとしよう。
「ありがとうございます」
っ! その笑顔はやめろ!
さっきの至近距離でのファルニクスの顔を思い出す……!!
また赤くなってないよね? 赤面してないよねっ!?
「それでは早速説明しますね。
今回キミの身に起こった事、それは限界を超えた膨大な
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