第34話 ダンジョン完成!
「ふふふ、流石はレフィーお嬢様です。
なんと可憐でありながら凛々しく、ご立派なお姿でしょう!」
……何でだろう? 自分よりテンションが高い人を見ると、不思議と冷静になる。
と言うか、今にして思えばかなり恥ずい事しちゃったかも。
何も無い空間に立って、両手を広げて宣言って……ヤバイ! これはヤバイぞ!!
柄にも無い事をしちゃったってのもだけど……小学生がそう言う設定の遊びをしてるようにしか見えないじゃんっ!!
『地下大迷宮、ね。
うん、いいんじゃない? 頑張ってね悪魔ちゃん、応援してるから』
変に気を使うくらいなら、もういっその事笑えよ!
お前にそんな事されたら逆に恥ずかしいし、気持ち悪いわっ!!
『応援してるのに、気持ち悪いってのは酷いな。
まぁ、悪魔ちゃんはツンデレだから、恥ずかしいのは仕方ないかもしれないけど』
誰がツンデレじゃ!!
いったい私の何処をどう見たらツンデレになるのか? 全くもって意味不明だわ。
『いや、本当に応援してるんだよ?
前にも言ったけど、悪魔ちゃんにはしてほしい事があるからね。
ダンジョンの強化もその一環。
だから、本当に応援してるって言う言葉に嘘は無い』
「……」
確かに嘘はついてないみたいだな。
まぁ、別に邪神が何と思っていようが、そんなの関係無くダンジョンは強化する。
これは私にとっても必要なプロセスだし。
「よし」
この階層の構築は、我が大いなる目標……安全で自由かつ怠惰に過ごせる日々のためへの重要な一手!
頑張っていってみよう!!
「しかし、レフィーお嬢様。
何故塔タイプではなく、地下迷宮タイプになされたのですか?」
うむうむ、シルヴィアの疑問はもっともだ。
地下迷宮タイプよりも、塔タイプの方が遥かに見栄えが良い……けど!
「こっちの方が、安全だから」
確かにダンジョンには、入り口以外からの外敵の侵入を拒む結界が展開されてる。
しっかーし! この大陸なら、その結界程度じゃあ全然安心できない。
だってエルダーリッチなんていう、神話生物クラスがゴロゴロと生息してるわけだし。
普通に結界を突破されて、倒壊させられる予感しかしない。
現にシルヴィアの雷が直撃したら、多分一瞬で消し炭になる。
それに! 天高く聳え立つ塔よりも、地下深く深淵へと続くような地下迷宮の方が悪魔のイメージにも合う!!
さらに最初の洞窟があった地上部分もダンジョン内と認識される。
つまり! 今は新階層があるこの地上部分を更地にすれば、この土地をダンジョン内として有効活用できるのだ!!
うん、やっぱりダンジョンは塔タイプよりも地下迷宮だわ。
「ふふふ、流石はレフィーお嬢様。
素晴らしき慧眼にこのシルヴィア、感服でございます!」
この程度の事にシルヴィアが思い至らない訳が無いし、むしろシルヴィアの方が多くの利点を思いついてるだろうけど……
褒められるのも、頭を撫でられるのも悪い気はしない!
「と言う訳で、私は今から、ここに迷路を作る」
今はまだ地下一階層にマイルーム。
地上部分にこの空間があるだけだから、ぶっちゃけ安全でもなんでも無い。
向こうに外の景色が普通に見えてるし。
「お菓子ができたら呼んで欲しい」
「かしこまりました。
必ずや、お嬢様がご満足なされる物をご用意致しましょう」
「ん、楽しみにしてる」
「では、失礼いたします」
魔法使いでも並の者なら気付けない程に、僅かな魔力の揺らぎの直後にシルヴィアの姿が掻き消える。
凄まじい精度と速度の転移魔法。
しかも、何気なくダンジョンの周囲に結界まで張ってるし……本当、早急に防衛機能を整えないと。
「よし、頑張るか」
まぁ頑張るって言っても、タブレットをポチポチするだけだけど。
「まずは、ここをこうして……」
なんか地球でやってたクラフトゲームを思い出して結構楽しい。
むふふっ、クラフトゲームで培った私の知識と技術を見せてやろう!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふぅ〜」
できた!
結構集中してやり込んだ甲斐あって、我ながら中々のデキになったな。
「レフィーお嬢様、お疲れ様です」
「うん……ん?」
何故にシルヴィアがここに?
マイルーム階層で、お菓子を作ってるハズじゃ……
『キミね……もう夜中だよ?』
なん、だと……!?
「じゃあ、今日のおやつは?」
「明日に致しましょう」
「そ、そんなぁ……」
シルヴィア特製のお菓子、楽しみにしてたのに……まさか、こんな伏兵がいるなんて!
しかし、この程度で諦めてなるものか!!
シルヴィアが作ったお菓子……スイーツは冷蔵庫にあるハズ。
確かに夜中にスイーツなんて大罪だけど、私は大罪を象徴する悪魔! 躊躇する理由は何処にもないっ!!
「さあ、お嬢様。
夕食の後にお風呂に入って、もうご就寝致しましょう」
最高難易度の極秘ミッション。
夜中にスイーツ大作戦! に挑んだ結果……ニッコリ微笑むシルヴィアにあっさりと確保された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます