家族
久々に入った実家の部屋。兄が作ったと思われる仏像がたくさん並んでいた。小さなものは手のひらサイズ、大きいものは私の身長よりも高いものまで。どれひとつとして同じ顔はないはずなのに、どことなく父母に似ている気がする。この場所がそう錯覚させているかもしれない。
兄は一体何を思ってこれだけ多くの仏像を作ったのだろうか。父母へ何もできなかった自分への戒めだろうか、それとも込める想いがあったのだろうか。一人残されてこれらと向き合わざるを得ない私の気持ちはどこへやれば良いのだろうか。
囲まれているのでどこに頭を向けたら良いかもわからず、その場に立ち尽くしたまま黙祷した。
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お題「祈る」 05/Feb/2022
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