宇宙旅行

 目覚めた私の目の前に広がるのは一面の星空。手を伸ばそうとしても力は入らず、口を開くことすらままならない。どれほど長いこと横になっていただろうか。

 まばたきを繰り返していると徐々に覚醒してきて、星と私の間には透明な壁があること、狭い場所に身体を横たえていることもわかってきた。この船に乗ったときの事、行き先の事なども思い出してきた。途中で目覚めるなんてことはこれまではなかったというのに。まさに弾丸の様に打ち出される格安の旅を繰り返しているうちに、薬にも慣れてきてしまったのだろうか。

 いずれにしても、まだ起きるには早いと再びまぶたを閉じた。次こそは目的地に着いていますように。


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お題「眠る」 05/Dec/2020

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