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ヤシマ家は貴族の家柄であった.
大戦後に憲法が改正されて貴族制度は廃止になって久しかった.
祖父は近衛中将で兵学者であったが大戦が終わって軍をさり代々の領地に隠棲してしまった.
ヨシカタの父親はトキオの大学に進学し卒業すると親から資本金を出してもらい自ら住宅販売会社を起業した.
父親は大学では建築学科であったがヨシカタは国立トキオ大学工学部でデジタルシステムコンピュータの設計を専攻した.
祖父の兵学は学問としては廃れていたが ヨシカタもヨシカタの父親も家の学問としては受け継いでいた.
ヒノモトは世界でもっとも古い帝国として知られ徳のある皇帝によってよく治められてきた.
ヒノモトのそのかみミスフィア女王の父皇帝のとき宰相が王子を暗殺し反逆した.
皇族から下降して公爵家となり代々の皇帝に兵学を教え 皇帝に師としての礼を受けていたディバイン家のゼルバ公は ミスフィア皇女をたすけ追ってをのがれ長く身を隠し ついに反逆した宰相を討った.
宰相はその時「わたしは帝家を横領しようとしたのではない わたしがしようとしているのは革命だ 帝政などはすでに時代にそぐわないのだ」と言うと
ゼルバ公は「あなたが言うことが本意だとしても わたしはあえてあなたの前に立ちふさがり帝家を守る」と言うと剣で宰相の胸を貫き剣を抜くと宰相の遺体の前でしばらく目を閉じて天を仰いだと伝わっている.
ゼルバ公はミスフィア女王の良人で宰相となり 国家の象徴として国民に敬愛される帝家となって 民主的な憲法を制定し国民の政治への参加の道を開いた.
ヒノモトは革命もなく帝家みずから民主化を実現した特異の国であった.
何度かの大陸からの侵攻があったが遂に本土を侵されることなくはね返した.
古くから知られる強兵の国でもあった.
二度の世界大戦も中立を守り第一次世界大戦では戦闘も戦禍もなかったが 第二次世界大戦では対馬沖の海戦と太平洋の数度の海戦に勝利し中立を保った.
そののち大戦枢軸国の雌雄は決し各国は講和条約を締結したが 莫大な軍事費の支出によって各国の財政は危機的状況を呈したことから世界は軍縮へ向かい 平和な時代を迎えることに至っている.
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