第75話 2学期中間テスト、2日目

 10月28日の水曜日。天気は曇り。2学期中間テストの2日目です。明日からは通常授業。パレットも昨日の勉強会でしっかり対策をしてきたので、今日は不安もあんまりありません。


「よーし、今日のテストも頑張るぞい!」


 と言った感じで、気合も十分です。テスト前の時間も無駄に出来ないと、チャイムが鳴るまでしっかり教科書やノートとにらめっこ。その甲斐もあって、テストの手応えもバッチリなのでした。

 ただし、テストで全ての気力を使い果たしたため、終わった後は机に突っ伏す始末です。そこにミッチーがやってきました。パレットはちょっと顔を上げて、また戻します。


「やっぱ最初から勉強会やっておけば良かったー」

「そうだよ。日曜日に来ると思ってたのに」

「次の期末からはそうするわ~」


 その後は開放感から雑談がしばらく続き、教室にほぼ人がいなくなってから2人も帰る事にします。下駄箱で靴を履き替えて校舎を出る時、パレットの頭にある閃きが降りてきました。


「ミッチー、今日でテストも終わったし買い物行かない?」

「いいね!」


 こうして2人の帰り道のルートは買い食いモードへと移行します。気軽に済ますならコンビニ一直線なのですが、お得度から考えるとスーパーと言う選択もありです。なので、そのようにしました。

 2人がフジの前を通りかかると、駐車場にたこ焼き屋さんを発見。当然のように吸い込まれました。


「ねえ、ミッチーあれ!」

「おお、いいじゃん、行こう!」


 そこのたこ焼き屋さんはたこ焼き4つで200円。味もソースか塩かを選べます。屋台たこ焼きにしてはハードルが低いのもあって、2人はそのたこ焼き屋さんを見つけると必ず寄るくらいのファンなのでした。


「テストから開放された日にこのたこ焼き屋さんに出会えるなんて奇跡だよ!」

「偶然だろうけど、こうなったらもう買うしかないね!」


 2人がたこ焼き屋さんの前に行くと、お客さんは誰もいませんでした。そこでパレットがお金を持ってお店の人に声をかけます。


「すみませーん」

「はーい」

「4つ入りひとつくださーい」

「今からだと15分かかるけどいい?」


 そう、このたこ焼き屋さんは注文を受けてから作るスタイルでした。すぐに食べられない代わりに出来たてが食べられます。スーパーの駐車場に出店しているのは、買い物前に注文してもらって買い物後に受け取るパターンを想定しているから。

 パレットは当然のように待つ選択肢を選び、注文は確定します。と、言う訳で、2人はたこ焼きが出来るまでの時間潰しに目の前のスーパーに入りました。


 店内で適当に物色していたパレットの目に、お気に入りの商品が映ります。


「お、ア・ラ・ポテトがあった。買おう」

「あ、あたしも」


 その後も店内をウロウロして、いくつかのお菓子やらジュースやらを買って外へ。まだ15分経っていなかったのか少し待たされましたけど、無事にたこ焼きをゲットしました。2人はそのまま公園を目指します。そこのベンチに仲良く並んで座って、たこ焼きを2つずつ食べました。

 出来たてだけあって、まだまだあっつあつです。パレットは口に入れた瞬間、思わず声が出ました。


「ふは~。うまうま」

「やっぱソースだよね~」

「たこ焼きに最初にマヨネーズかけた人、天才だよ~」

「分かる~」


 外側はカリカリで中はとろり。その値段分以上の美味しさが2人の味覚中枢を刺激しまくりました。しっかりタコも入っていて食感も大満足です。テストが終わった後のご褒美として、このたこ焼きは最適解でした。

 こうして、4つのたこ焼きはすぐになくなります。買ってきたジュースも飲んで、2人はこのプチ贅沢をしっかりと堪能したのでした。

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