二作目:押しつけあう女たち~王子なんて熨斗を付けて差し上げます~

婚約破棄モノへの挑戦状

 前回の投稿から少し間が空きました。


 最近は新作の『爆誕!異世界の歌姫~チートもヒロイン補正もないので、仕方がないから歌います~』という作品でファンタジーに初挑戦中です。

(作品はこちら⇒ https://kakuyomu.jp/works/1177354054921102490


 投稿開始時に公開予約設定をミスしたこともあり、開始早々ストックが減ってしまったのでなかなかハラハラの毎日です。毎日三千~五千字程度をコンスタントに書く練習にもなっております。



 さて、今回は二作目に投稿した『押しつけあう女たち~王子なんて熨斗を付けて差し上げます~』という作品に関して呟いていこうと思います。

(作品はこちら⇒ https://kakuyomu.jp/works/1177354054917939212


 四話完結の短編なのですが、一言で言うなら、これは三作目に書いていた『転生侍女は完全無欠のばあやを目指す』の副産物です。


 先に書き始めていたのは三作目の方だったのですが、こちらの物語の中盤でうまいことストーリーが進まなくなりました。

 それと同時に主人公ターニャのキャラが薄すぎたことを反省し、三人称視点から一人称に変更して十話分ほど丸ごと書き直すことを決めました。


 これからやるべきことは見えているし、ちゃんと書き直したらもっと良くなるはず。侍女のストーリーはずっと書きたかったものだからきちんと書き上げたい。でもちょっと疲れたし、自分の文才のなさに気付いて心折れそうになってしまった。


――だったら、違うものを書いてみたら良いんじゃない?

  婚約破棄ざまあ系はいつか書いてみようと思っていたし。


 そんな天の声、もとい、楽な方に逃げたい自分の心の声が聞こえてきたのです。


 そしてその勢いだけで書き上げたのがこの作品でした。初めはヒロイン視点と悪役令嬢視点の前後編のつもりだったのですが、ちょっと伸びて四話になりました。

 私の書くものは大体いつも「ちょっと伸びる」傾向にあるので、むしろ無駄をカットしてサクッと切れ味鋭いものをいつか書いてみたいものです。


 最初はカラッとした婚約破棄を中心とした物語を考えていたはずなのに、書いているうちにいつの間にか「友情・努力・勝利」がテーマになりました。


 そのうちに、だったらいっそヒロインと悪役令嬢が裏で結託していたら面白いな。あ、だったら遠い昔に読んだ小説版の『白夜行』のように、女子ふたりの交流と友情が表に出てなかったらめっちゃゾクゾクする話になりそうだな…


 なんて考えたものの、当然ながらそのようなダークヒロインの存在も、綿密に計算された構成も、新米投稿者である自分にはできるはずもなく、もっとコメディー寄りに仕上がりました。ついでにざまあ要素もほとんどなくなりました。


 ラブコメならラブコメでもっと振り切ったものが書けたら良いのですが、そこはこれから修行が必要な部分です。


 ざまあモノというのも読むのは好きなんですが、後半でざまあを行うためにはどうしてもヘイトの溜まるキャラクターを前半で出さないといけないんですよね。もしくは主人公にとんでもなく暗い過去を背負わせたり、心の傷を負わせたりしなければなりません。


 そのあたりを突き詰めて考えていったところ、自分が楽しく書くために、嫌な気持ちになるものは極力避けようという方針が決まりました。読者の方にも、どうせなら投稿小説の小さな世界の中くらい、ハッピーエンドの優しい世界をお届けしたいなと。

 

 そのため、この作品にはお馬鹿な王子とそのお相手は登場しますが、そちら側の描写はなるべく省くことにしました。無駄にイライラするだけなので。


 このときに考えた自分の書く作品の方針はその後も生きているので、ざまあや悪役・敵キャラ等に対する自分のスタンスを決められたことはプラスになったと思っています。



 さて、ここまでの方針が決まると二日ほどで一気に書き上げられたので、四話まとめて勢いで『小説家になろう』に投稿してみました。


 が、反響はイマイチで、泣かず飛ばずでした。自分としても作品の傾向が違うとは言え、一作目ほどは綺麗にまとまらなかったなと感じてもいました。


 それでも投稿日(=完結日)から数日間はブーストによって毎日5,000PV近い数値となったので、ある程度読んでいただくことはできたのかなと思いますし、やはり読者数においては『小説家になろう』はすごいなと実感しました。


 そしてせっかく完結ブーストが起きても、面白いからブックマークしようとか、評価を送ろうと思っていただけないと伸びないというごく当たり前のことを感じた作品でした。


 読者の方にそういったリアクションをいただくには、もっとひねりが効いていたり、スピード感があったり、大きなどんでん返しがあったり…とにかくもっと面白いものじゃないとダメなんだなというのを実感しました。


 短い作品だからこそ、溜めずに一斉投稿してしまったのですが、もしかしたら数日に分けて投稿したら、ブクマ数は少し伸びたのかもしれません。面白い作品なら短編の一話完結モノでもきちんと伸びるので、結論から言えば筆者の力不足なんですけどね。


 とは言え、この作品は自分としても完全に気分転換で書いただけの物語で、投稿時間やブーストの起き方についてもトライ&エラーを繰り返せば良いと思っていたため、あまり凹みもしませんでした。

 むしろ「予想通りだけど伸びなかったし、やっぱり転生侍女の方をちゃんと書こう」という気持ちになれたので良かったかなとポジティブに捉えております。

 

 また、評価人数が違うとは言え、一作目の『口下手伯爵は侍女と喋りたい』が平均☆4.7に対し、本作は☆4.2だったことで、自分の向き不向きや読者の好みの傾向が少し学べたことは非常にためになったと思っています。



 

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