自分探訪記


じろりと自分を覗きこむ。


ある日

砂漠でオアシスを抱えていた

誰の言いつけかもわからぬまま

心臓の鼓動を水源に蓄えていた


ある日

アルミを伸ばしたガラクタで空を翔けていた

コピー&ペーストしたような彩りの下界を

思いつきの鼻歌で飾り付けていた


ある日

摩天楼に見下ろされ立ち竦んでいた

近未来を謳うネオンの看板を

嘲笑うかのように小石を蹴っていた


ある日

目も眩む陽炎を

透き通った冷気を

かまびすしい太陽の光を

悩ましげな月の光を

がむしゃらに振り切って

だらだらと見窄らしく涎を垂らしていて


それでも


ただ



そうして、ある日に今日の日付を結んでいくのだ。







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