真人の事情

 23時15分にLINEが着て、真人も確認した。


 真人の家も虎や礼の家の近くで、少し大きめのマンションである。


 母親は弁護士をやっており、かなり評判が良いらしく、稼ぎがいい。


 父のことは聞いたことがなく、真人もそれについては聞かないことにしている。

 

 刑事弁護が母の専門らしく、平日だけでなく、土日でも夜でも依頼人から連絡があればすぐに家を飛び出していく。


 母からは、幼いころから東大法学部に行くように言われ、その後ロースクールも行きなさいとも言われている。


 子どもの頃から勉強するのは苦でなかったし、目は悪くなって眼鏡はするようになったが、母のことも尊敬していた。


 来週の土曜日は丁度予備校もなかったので、母に聞いてみると難色を示したが、勉強会と言うと許してくれた。


 学校のこと、友人関係、勉強のこと、ほとんど全てのことは母親に相談してから決めている。


 もしかしてというか、きっと俺はマザコンなのだと思っていた。


 LINEには参加OKと打ち込んだ。

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