お昼、そして午後

 それぞれスマートフォンを取り出して、食事をしながらサイトやアプリを開いてお互いに見せ合ったりしている中、さくらはスマートフォンを取り出すのも嫌だった。皆は最新機種を持っているが、さくらのものは1万円の中古スマートフォンだったからである。


 しばらくすると、スマホの着信があったので、さくらが取り出して見てみると、グループLINEのお誘いだった。今いる6人のグループLINEらしい。特に断る理由もなかったので承諾して仲間に入った。そもそも登録していたのは紗矢だけだったが、グループLINEの人全員から個別LINEの申し込みも着て、それも一つずつ承諾していった。


 そこまでで、昼休みも終わり、午後の退屈な授業が始まった。


 4月から始まった授業中、スマホを隠れていじるチャレンジャーもいたが、大半は見つかって没収一か月となり、今は授業中に使う者はいなくなった。


 文央高校は大学受験に力を入れていることもあり、火曜日は受験の配点の高い英語が3時間あり、それも午後の3時間が全て英語である。


 1-Aの生徒からはデビルチューズデイと呼ばれている。3時間のうち2時間は学校から支給されているタブレットを使った授業なので多少は時間が早く流れるが、それでも退屈であった。

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