ハーレム世界を作ったが、ログアウト不能でバグだらけのクソゲーだった。しかし、NPCに本当の心が芽生えたので人生をかけ頑張ることにした ―ワールドオブユートピア―

VR世界に生きる

プロローグ

プロローグ

嫌な予感がした。

ドキリ。と跳ねる俺の心臓。

巨人は、まだ角を抑えている。

彼女たちは、巨人の足に向かって攻撃していた――


「みんな、今すぐ攻撃を止めて逃げるんだ!」

「ハヤトくん? どうしたの?」

「チャンスなのにどうしてですっ」

「いいから逃げるんだ!」


彼女たちのAIは、俺の発言が最優先されるようになっている。


「わかりましたっ! 逃げましょう!」


俺達は、武器を収め逃げようとする。

巨人はドシン、ドシン、と走って追いかけてくる。

そして、棍棒を振り回した――。


巨人の目の前にはレアがいる。


棍棒はレアの目の前まで迫っていく――。


「レアッ――!」


『あのっ始めまして。わたしは《レア》といいます』


まて、待ってくれ……!


『よろしくですっお兄ちゃん!』


――ズドォォン!


巨人の容赦ない一撃が、レアを襲う。


『レアもお兄ちゃんのことが大好きです!』


「そ、そんな……ッ!」


『お兄ちゃんと出会ってから、いろんなことがありましたねっ!』


そんな、馬鹿な……


『小屋でご飯を食べて……』


嘘だと言ってくれよ。


『森に向かって、とっても頼れるコ―デリアさんと出会いましたっ』


「――――――――ッ!!」


俺は声にならない声で叫ぶ。


『そして、炎の町でとっても強いイオさんとであいました』


なぁ……!


『お兄ちゃんと出会ってから、わたしはとっても楽しいことばかりですっ!』


嘘だと……!


俺はよろよろとレアの前に歩いていく。


「レアッ! しっかりしろ!」


俺は身体中から血を流しているレアの体を揺さぶる。


レアの目の光が無い。


まるで魂が抜けたように、


「あ、あああ、ああああぁぁ……!」


そうだな、これからもみんなで楽しく冒険しような――


『ふふっ楽しみですっ――』


レアは、ぴくりとも動かない。

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