第4話
白と青の世界の先、深緑に彩られた扉を潜った少女たちがまず目にしたのは、一面に実った黄金の稲穂たちだった。
風に乗せられた自然の香りに、澄んだ空気は
自然豊かな平地世界の中央には、丈の高い菌糸類が
森の中は以外にも月明かりに照らされ、光は
道無き森林には、世界中の
「見るからに危ないものがいっぱいですね」
「そうだねー。ダメだよー、
「お母様! これめっっっちゃ綺麗なのじゃ、あかいのじゃ!」
騒ぐ
この世界に来るまで半死半生となっていた
しかし柄の部分は生々しい白さを持っており、傘部分の気品とは裏腹に気味の悪さを感じさせる。
「いやそれって、絶対にヤバイやつですよね」
「
「大丈夫じゃって、何せ
その歩幅は段々と小さくなり、比例して手に持っていた
「……ほえー。お母様とかぐやちゃん、急に大きくなったのー」
「わたしたちが大きくなったんじゃなくて、
「うわわわわ、どうしよう。かぐやちゃんのタルト探ししてる場合じゃないよ!」
「落ち着いてお母さん。こういうときは――」
右往左往する
今の自分の状態を理解できていない
「何も変わってないのじゃ」
「姉さん? 見ないうちに縮んだね」
月明かりに影が射し、夜のごとき静かな男性の声が聞こえてくる。
深緑の二本の尻尾に和服に似た
その様相は森に迷いこんだ人々を誘う
「おお、
「あっ、
「えっ、あーうーん。そうだなあ……、この辺りの
剣幕に迫る
「いや待てよ。ちっこい紅音ちゃんもかわいいから、それはそれで良いんじゃないかな」
「紅音ちゃんは縮むより成長したいのぉ」
さんざん考えを巡らせて唸っていた
抱き抱えられた猫のように抵抗しない
「そもそもどうして三人がここに?」
「えっと、わたしの作ったタルトが無くなったのは足が生えたからだって、お母さんと紅音ちゃんが言って。それで来たんです」
「……どういうこと?」
三人が森の中にいる理由をかぐやへと尋ねた
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