第7話 私は嘘を付いた。
―― 11月27日 水曜
この日の臨時朝会で、私が下忍試験のため11月29日朝に里を出ると、発表された。
イマリと一緒に過ごす時間は、残り48時間。
私は残る時間を極力、イマリと過ごした。
楽しかった。
可愛かった。
天使のようだった。
…でも、やっぱり悲しかった。
…どうしたらいいか、わからなかった。
…運命を呪った。
―― 女湯
「お姉ちゃん、どこか行っちゃうの?」
いつものようにイマリの髪を洗っている時だった。
突然イマリが聞いてきた。
「うん!ちょっとしたテストだよ」
イマリなりに、何かを感じとっているのかな。
「すぐ、帰って、くるの?」
イマリは不安そうに聞いてくる。
「イマリの誕生日があるでしょ!?
それまでには帰ってくるよ」
「ぜ~~ったい?」
「うん!絶対の絶対のぜ~ったい!」
私は、嘘を付いた……。
イマリの髪をシャワーで流す。
イマリの小さな背中。
私は抱きしめた。
「お姉ちゃん!暑いよぉ!」
ごめん!もう少しだけ、もう少し。
また、涙が溢れた…。
「お姉ちゃん…痛いよぉ」
イマリ……ごめんね…
お姉ちゃんは嘘つきなんだよ…
涙が……止まらなかった…。
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