38 眼窩
大地に果てがあるならば
それを見たいと想う
けれどもこの地の果ては
ゆっくりと曲面を描いて
やがて小さな球へと続くだけ
月から眺めたちっぽけな地球に
果ては失われた
果てを失った人々に
見果てぬ夢など抱けない
ただこの地にひしめいて
緩慢な日常をやり過ごすだけ
夢を断たれた精神は
快楽のみを貪って
やがて全てに飽きていく
もはや瞳は輝かず
虚ろな眼窩が穿たれるのみ
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