第30話
単純な見方をすると『オーガの美丈夫がエルフの王女を
そうした事を歓談の中で知っていくシェラザード……
すると、その
「―――どうやら、戻ってきたようだな。」
「(あ……)ヘレナ―――」
「一応、“ゴミ処理”は終わらせてきましたよ……
「それで―――?成果を聞こう……」
「
「(えっ?)それでは、私との『
「申し訳ないが、それは出来ないんですよ―――
「なぜ―――?どうして―――?
「(……)―――で、
「(!)そうよっ―――!だって……そうしなければ―――……」
「だからこそ出来ないんですよ――― 一応ねぇ、“
王国に巣食う“身中の蟲”を
そこでシェラザードは『この“機会”』にと思っていた計画の大半が達成できた事を知るのでしたが、たった一つだけヘレナは『国王』である
それをシェラザードは、自分との『血の
「なるほどな―――なぜ貴様が王女と『
「ま―――そう言う事になりますかね。 これで一番おっかないあんたからの“信”も得られたようで、“オレ”としちゃ胸を撫で下ろしてますよ。 てなわけで、この後もきっちりと『お付き合い』―――願いますよ、
なんだか良く判らない表現で煙に撒かれた……としか
確かに、ヘレナとの『血の
この事自体は、シェラザードも感じていたように『違約』にも触れることなのでしたが…
ならばなぜ―――ヘレナは、
その理由を、なぜか【
その事が判る一言に、【
今のこの時点では、
ただ一つ言えたことは、この二人は『
その事以外では、何も判らないではありましたが―――……
この事が、この後のシェラザードの運命を左右することになってこようとは―――……
#30;
「シェラ―――!」
「(―――……)クシナダ……」
あんなにも、嫌っていたのに―――
あんなにも、一人の異性を巡り、激しく火花を散らし合っていたのに―――
強く抱き付かれてしまった―――……
それは永の、友との
そして………………
「なんだよ……泣くんじゃないよ―――ああ…もう……こうなる事が判っていたから、そんなに仲良くなりたくなかったのに―――」
その言葉が漏れた途端、女性エルフと
互いに抱き合いながら――― 互いの友情を確かめ合いながら――― 声を上げて泣いたものでした。
そして
「皆には迷惑かけちゃったね―――それにシルフィ……あんたには私の『身代わり』としてのお役目、本当にご苦労様。」
「いえ、お蔭で私も庶民では知ることが出来なかった
「それはそうと、“ゴミ処理”の方は終わらせたのですよね?(ムヒ?) この後の処置はどうするおつもりなのです?(ムヒヒ?)」
「ああ―――うん……そこなんだけどさあ、どうやらおやじのヤツは生かされたみたい……だから……私も、『王女』としての役割は、終わっていない―――のか、なあ……。」
「シェラ―――では、また戻らないといけないの?」
「どうなんだろ―――??そこんところは……ほら、こちらの方、【
「なるほど(ムヒ☆) オーガであるこの方に、騒動決着の報酬として『王女』の身柄を貰い受けられた……と。(ムヒ) あなた様が描いていた“勝算”とは、まさにそこに在ったわけなのですね。(ムヒィ~)」
「ああ―――そう言う事だ……だが、現場には“顔見知り”がいてな、予断を許さなかったのは確か―――なのだが……」
「『あなた様の顔見知り』……そこの処は興味の尽きぬ処ではございますが――― 取り敢えずの処は……でしょうか。(ムヒッ♪)」
今回の、これまでの経緯を知り行くのでしたが、【黒キ魔女】と【
ふとした処で―――
「あれ?そう言えば―――ヒヒイロカネは?」
自分達の仲間の一人である【赫キ衣の剣士】の男性の姿が見えなかったので、それを口にした―――だけ……
すると―――……
「そう言えば、知らないのだったな―――ならば交代するとしよう……」
そう、オーガの英雄―――【
「ええええ~~~っつ?!【
「……ああ―――オレとクシナダは、この体内に流れる血に“鬼”の成分が少しばかり混じってるんでな。」
「はああ?!クシナダも―――?」
「私の母様と、ヒィ君のお母様は【
「なにそれ―――!この
「ありがとうよ―――けど、それが“現実”なんだ……」
「(ムヒョウウ~)『不都合な真実』とは言え、偏見は誰しもが持っているものですからねぇ……」
~♪―――♪~
「……おや―――?」
「―――“歌”……だ」
「えっ?あ―――ほんとだ……」
「ちょっと待って?もしかして……この“歌”―――」
「ええ、あの人だわ―――!」
一つの物語―――
一つの出来事が、終息へと向かおうとしていた時―――
この
その“調べ”は風に乗り―――鳥の
それは、初めて聴く者からすれば心地の良い“歌声”ではありましたが―――
元からの仲間達にしてみれば『戻ってきた』と、思ったモノだった…
このクランの、古くからのメンバーであり、その歌声で
そしてまた……この事実は―――更なる『
つづく
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