第14話
「(ふぅむ―――アウラ様と昔からの
それにしても……ウフフフフ―――この方達、思っていた以上に
――大天使長様――
実は、ササラにはこれまでにも『このお話し』の
それは―――ササラ出生の時にまで
ササラと―――その母親ノエル……ササラがノエルの娘として産まれて来る瞬間、その時ササラは産まれ出てくるそのタイミングが、早過ぎた―――つまり『早産』だったのです。
予定されていた出産日より、“早い”―――この事実が示す事とは……
血が―――足らない…… それも、圧倒的に……
だから本来ならこの事が原因でササラは死ぬ
けれど、ここで奇蹟が起きていた―――
それと言うのも、ササラ出産の現場に立ち合ってくれた存在の
なぜ―――
その“事実”は、『今』―――語られるべきではありませんが……
現実だけを見つめると、その者の施しにより死の
なぜ―――
それはまあ、それで良かったのでしたが―――……
* * * * * * * * * *
「あ゛~~!ササラったら、またヒヒイロの膝上に、“ちょこん”と乗っかっちゃってぇ~~!ちょっとは私にも代わりなさいよぅ!」
「ここは、私の特定席なのです―――」(ムヒ☆)
「いや……ちょっと待ってくれ―――って……お前がオレの膝上に乗っかったら……」
「ハ?そりゃなにか??私が『おデブ』だって言いたいのか??」
「い……いや―――そうとまでは~~」(ハ・ハハ……)
「ヒィ君も、はっきりと、この際だから言ってあげたらどうなの……『その通り』だ―――と。」
「ハハァ~ン?私ゃヒヒイロに聞いてんダヨ―――誰も、あんたからの答えを求めてやしない―――ての!」
「いいえ―――私の
「にゃにお~~―――う!?」
☆☆~バチバチ~☆☆☆ vs ☆☆☆~バチバチ~☆☆
「なんですかあ~~―――?」
「(……)なあ?ササラ殿―――この2人は、いつもこんなのか?」
「いつもは、これ以上の
「オレ……もうやだ―――耐えらんない……」(シクシク)
アウラが知っていると思われる事情とは、また異なる表情を見せるシェラザード……そんなものを見せられて半分呆れもする―――のでしたが、反面、自分の知らなかった彼女を垣間見ることが出来、どこか満足気にはなったようです。
それはそれとして―――
「皆―――今日はどうもありがとう。 私もここの処『姫』としての公務が忙しくてな、息抜きのつもりでここへと寄ったのだが―――息抜き以上のモノを見させてもらった。 私はまだここへと留まるつもりだから何か相談があるのなら遠慮なく訪ねてくれ。」
こうして―――ネガ・バウムの姫君であるアウラを囲んでの交歓会は終わりました。
そしてこの後―――“運命”と言う名の歯車は、
#14;暗転
それは―――かの『交歓会』より、幾日か経った頃の事……自分を見つめる“視線”に意識し始めた頃の事でした。
「(この“視線”―――とうとう“あいつら”が動き出しちゃった……か、―――ったく……あんちくしょう、いくら“上”からの言いつけって言ったって『
それに……これはヤバいかなあ……この“視線”て、絶対あいつっしょ、おやじのことだから『邪魔する奴の生死を問わない』くらいのことは言ってるだろうし……だとしたら、猶予は残されていない―――ってこと?)」
シェラザードも、『
知ってはいましたが、この時は少しばかり妙なことを
そう……それは、『
“上”………………?
王国の『王女』であるシェラザードの、実質上の“上”の立場と言えば、実父である『国王陛下』しかいないはず―――
なのに………………?
ならばなぜ、“お父様”だとか“父上”だとか、言わなかったのか……
しかも、それではまるで『何者かの意思』が介在されている事が臭わされていた……
けれど、それが真実―――現在のエルフ王国が正常ではない証し……だからこそ、王女シェラザードは―――
それとまた、不可解な事実も浮上してきたのです。
自分を見つめる“視線”のお蔭で『
そう―――シェラザードは、この“視線”の主の事を知っているのです。
お
そしてこの者に下された
『お前達の前に立ちはだかる者の生死は問わん』……
しかし―――この
? ?? ???
それはそれとして―――
かの“視線”を感じたあとシェラザードは、マナカクリムの外れにある森に姿を見せていました。
そして、こちらも―――……
「ウフフフ~~~ン☆ 王女様みぃ~っけ☆」
「やっぱりね―――あんただったか……
「いちおー--あたしの仲間には、他の場所を当たるように言いつけといたよ~ん☆」
「―――で、あんた自身は、
「お褒めに
―――王女様―――
その『
かと言えば、“少年” のようであり―――少年ではない……
性別は―――“
そしてまた、『不死属性』―――だとするならば?
この者の正体とは――― 一体……?
つづく
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