彼の女性は　身を震わし

哀しみに拉（ひし）がれた面持ちで

わたしの顔に　視線を送りました

「修道女様わたくしは愚かな女にございます

　全ては　わたくしの愚かさが招いたことにございます

　全ては　わたくしの愚かさが原因なのです」

「誰にでも　過ちはあるものだ

　お前は　自分の罪を罪と認めておるではないか

　そして　悔いているのだろう」

司祭様が　静かに彼の女性に言葉を送ると

彼の女性は　何度も何度も　頷き

小さく　小刻みに震えながら

「しかし　恐ろしいことです

　恐ろしいことなのです」

彼の女性は　救われようのない苦しい表情で

「わたくしの醜い心が引き起こしたのです

　わたくしが　旦那様を殺したも同然なのです」

そう言って十字架を見上ると　また　話し始めました

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