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お嬢様は 心までもお美しい
慈しみを おかけになさいます
どんな小さな つまらないものにさえ
牙を剥く野良猫さえ
お嬢様のお優しいお心に触れたなら
その手で撫でてくれと擦り鳴くでしょう
奥様の国を思わす全てのものは
全部 取り払われ
わたくしも 捨てられるはめになりました
それを お嬢様が懇願して下さいました
旦那様に 抱きついて
わたくしの為に 泣いて下さったのです
たどたどしい可愛いお口で
大きな瞳が溺れそうなほどに 涙をためて
頬まで溢れて 真っ赤になって
もしもあの時 わたくしが捨てられたなら
わたくしはどうして生きたのでしょう
いいえ 他の人生などあり得ません
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