38 私と第二のマイホーム建設
それじゃ、私の第二のお家作りを始めよう!!
買った土地は、更地だったから軽く整地すればいいかな?
そうそう、工事といえばあれだよね。
私は、買い取った土地をアイテムリストから取り出した、ミスリル製の柵で囲った。
そして、青い大きな布を柵に掛けて、敷地が外から見えないように目隠しした。
本当は、ブルーシートの方がそれっぽいけど、手持ちにはないから青い布で我慢だ。
そう、よく工事の際に目にするあの風景だ。
うんうん。これから工事しますよ~っていう雰囲気出てきたね。
まずは、家をどうするかだよね。
大工師のスキルリストから、住宅カタログを選んで作りたい家を探すことから始めよう。
カタログを見ていくと、住居と店舗が一体になった物が目に入った。
建物の構図的にはL字に近い作りだった。
Lを時計回りに90度回転させたような感じね。
それで、Lの短い辺が店舗で、長い辺か住居部分ね。
住居部分は2階建てで、三角屋根で、テラスもある。
うん、これにしよう。
建てる家が決まったから早速スキルで建てたいところだけど……。
問題は、上下水なのよね。
アーくんから聞いた話だと、王都の地下には今はもう使われていない水路があるらしいんだよね。
昔はその地下水路に生活水をバンバン流していたそうだけど、汚水が溜まって、それが原因で病が流行したとかで、その地下水路は使用禁止になったんだって言ってたんだよね。
つまり、迂闊に地下を掘り進めれば封印された危険な汚水に当たってしまう可能性があるんだよね。
そうなると、飲水を森にいたときみたいに地下から汲むって無理なんだよね。
どうしよう……。
この世界って確か、井戸から水を汲んでるんだっけ?
井戸……。
そう言えば、アーくんが王族とか貴族の人達は、魔法道具を使っているから、お風呂に入れるって言ったっけ?
ということは、水を出せるなにか……?
う~ん、水、みずぅ。
そうだ、魔石だ!
魔石の中のエネルギーってやつを水に換えることができれば、生活水の問題は解決できるかも。
そう考えた私は、物質変換で魔石の中のエネルギーを水に換えることが出来るか試すことにした。
だけど、冷静に考えてみて、この魔石のエネルギーが全部水に換わったとするよね。
もしだよ、それがすごい量だったら……。
そこまで考えて私は、青くなった。
大量の水に換わった場合、ここ周辺が水浸しになるという恐ろしいことにだ。
だから、最初に蛇口を作っることにしたのよね。
それで、その蛇口に魔石を取り付けて蛇口を捻った時に物質変換がされるような仕組みを作ったの。
これが成功すれば、蛇口を捻れば、水が出るはず。
念の為、失敗したときのことを考えて、大きな盥を用意してその上で蛇口を捻ることにしたよ。
ドキドキしながら蛇口を少しだけ撚ると、ちょろちょろと水が出たのだ。
蛇口を閉めると、水も止まった。念の為、作った蛇口を調べたけどおかしな所はなかったので、成功したって考えて良いのかな?
でも、次に問題なのは、この水が飲めるのかってことね。
もし、飲めなかったら……、その時はその時で考えよう。
とりあえず、飲んでみよう。
飲んでお腹が痛くなったら、キュアポーションを急いで飲もう。
そう考えた私は、コップに水を出してその水を恐る恐る飲んだ。
少しだけ口に含んでみると、飲み慣れたミネラルウォーターの味がした。
とりあえず、コップに出した分を飲みきったけど、お腹が痛くなる気配はなかったので、一応成功ってことでいいのかな?
これで、お水の心配もなくなったことだし一気に工事を進めよう!!
お家を建てるのに必要な建材があるか確認するため、アイテムリストを見ると、建材は十分な数があったので改めて作る必要はなさそうだった。
それじゃ、大工師のスキルで実際に家を建てよう!
ゲームのときだと、家の規模にもよるけど数分から数時間で家が建ったんだよね。
一応、カタログを見ると、建設予定時間は2時間となっていた。
ゲーム内と違って、どんな風に家が建つのか興味津々で、建設予定地の範囲を決めてから建設開始ボタンを押した。
ボタンを押した瞬間、建設予定地が明るく光ったと思わったら、すごいスピードで家が作られていった。
ゲーム内では、小さな妖精が家を建てている風景が映し出されていたけど、私の目の前では早送りで家が猛スピードで建っていく不思議な光景が広がっていた。
丸で魔法みたいで、その光景が面白くてついつい見入ってしまっていた。
気が付くと、家が出来上がっていた。
これはちょっと非常識な感じがするから、人の目があるところでは控えたほうが良いかもしれないと思いながらも、出来上がった新居の中に入った。
中は、家具もなにもない空っぽな状態だったけど、カタログにあった通りに、正面に店舗があって、その奥に住居部分がある作りに変わりはなかった。
店舗部分は、まだなんのお店にするか決めてないけど、構造的にはどんなお店でも大丈夫そうな広さがあった。
奥に進むと、最初に大きめのリビングがあって、その奥に使い勝手の良さそうなダイニングキッチンがあった。
蛇口はあとで、魔石入りのものに換えないとね。
一階には他に、客間と洗面所とお風呂とおトイレがある。それと、住居用の玄関ね。
私は、お風呂の確認をするためにリビングを出た。
今回の家のお風呂は至って普通のお風呂だったけど、十分足を伸ばして入れるくらいの大きさのバスタブに私は満足した。
二階は、部屋が3つと、おトイレと、テラスに繋がる広めの空間があった。
私は、すべての部屋を見てから、一番奥の部屋を自室にすることに決めた。
一番奥の部屋は、一番日当たりが良さそうで、風の通りも良さそうだったからね。
家を一通り見た私は、仕上げに取り掛かった。
家主の住居スロットにこの家を登録してから、スキルで下水の工事を開始した。
森の家で使っていた処理装置と同じものを家の地下に設置して、配管も通したから一応生活可能な状態になった。
次に、家中の蛇口を魔石入りのものに換えた。
だけど、一つだけ問題があったの。
蛇口から水が直接出るわけなので、お湯が出ません……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます