第7話 理想の転生③
なるほど、日本語で
「火の玉」とつぶやいた瞬間に発動した魔法を目の当たりにして僕は理解した。
そういえば、あの
なんとなく
よし、次は
『
指先から正面の樹に向かって僕の背丈くらいの高さの火柱が走る。
原子力で動く車型のタイムマシンが通過した後を数倍派手にしたような見た目だ。
もっと行くぞ。
『かまいたちっ!』
つむじ風がどこからともなく発生し、火の玉と火柱で着火した樹を今度は風が切り刻む。
葉っぱが一面に舞い散る。
と、草原が乾いていたのか、風にあおられたせいか、火が予想以上に広がりだした。
これはまずい。
早く消さなければ。
こういう時はなんと唱えれば。。。
消火?
煙が広がり、少し
『み、
次の瞬間、僕は何が起きたのか理解できなかった。
地面には既に火が広がっており、その中に虫が落ちたものだから煙に加えてにおいもひどいことになってきた。
命の危険を感じ火の弱いところ、出口を探して走り出す。
が、煙が濃くなりもはやどこが安全かがよくわからなくなってきた。
仕方ない、もう一回魔法だ。
『
今度は成功したらしい。
先程まで晴天だった空は急に雨雲で満たされ雨が降り出した。
煙はまだくすぶっているがじきに消えるだろう。
炎で
ミミズ、ね。
またミミズを召喚してしまわないよう、注意深く心の中でつぶやいた。
そして、これは僕の悪い癖なのかもしれないが、雨雲を呼ぶことに成功したことに味を占めて、もっと魔法を試してやろうという気になっていた。
『
身体は既にびしょぬれだが魔法のコントロールの楽しさが
嵐とくれば次はこれだ。
『
その瞬間、目の前の焼け焦げた樹に
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