気まぐれな七夕と少女
たもたも
ぷろろーぐ
少女は怒声で目を覚ました。
ベッドから降り、眠い目をこすりながらリビングに向かう。時刻は二十三時を回っていた。こんな時間に起きていることを知られたら母親に怒られてしまうので、ばれないようにこっそりとリビングの中を垣間見た。
見えたのは少女の父親と母親。あまり詳しくは聞こえないが、決して穏便な雰囲気ではないことは分かった。
「仕方ないだろ。上で決まったことだ」
「こっちだって一年も前から決まってたことじゃない! ……あなたは、家族よりも仕事を取るの?」
「……あぁ、仕事を取るね」
そう言い残して、父親は自室のある二階に姿を消した。少女は今すぐにでも母親のところに行きたい衝動に駆られたが、怒られるのが怖かったので、涙を飲んでベッドに引き返した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます