7月 28日 年齢詐称ではありません

07:00

 長女がお赤飯を持って帰ってきた。

「お誕生日おめでとうだって、ばあちゃんが」


 いつも誰かの誕生日の朝は、旦那のお母さんの手作りのお赤飯がある。

 外のかまどで炊くご飯はものすごく美味しい。

 子供たちも大好きで、ササゲ(赤いおまめ)をよけてもりもり食べたそうだ。

 本当にいいお姑さんだ。



09:00

 今日は長男の二者面談。

 幼稚園は現在こども園なので、働いてる保護者のお子さんたちが今日も登園してきている。その中の長男のお友だちに長男に会えなくて残念がられた。

 どうやら順調にお友だちを作れているようでほっとする。


 長男、どうやら園では真面目で大人しいそうだ。

 そしてとても甘え上手だそう。

 さすが末っ子、甘えるタイミングをしっかりとつかんでいるようで、他のお友だち(特に仲がいい女子二人)にかいがいしくお世話をされているそうだ。

 それって、ヒモ予備軍なのでは??

 お母さん、かなり心配です。



11:00

 長女の演奏を聞きに行く。

 三女はお留守番するということで、いとこくんと次女、長男を連れて中学校へ。保護者が自由に聞きに来れて、励ましのメッセージカードもあるからたくさん書いてほしいそうだ。

 長男が大人しく出来るか心配だったが、教室に4人で入ったときの長女の顔がにやけていたので、とりあえず喜んでもらえたようだ。

 来年中学生の次女も吹奏楽に入りたいと言っていたので、ちょうどいい部活見学になったかな?

 ちなみにメッセージカードには卵かけご飯の絵を書いておいた。

 これだけで課題曲のことを言っていることがわかるらしい。


 でも、部活楽しそう。

 いいなあ、中学生。



17:00

 子供たちがお風呂に入りに帰ってきた。

 その時突然、横一列に整列して、バースデイソングを歌いはじめた。

 そう、今日は私の誕生日なのだ。


 「おめでとうお母さん、いくつになったの?」

 そういわれて気がついたのだが、子供の年齢や誕生日はすらすら言えるのに、自分の歳は正直、真面目にわからない。

 以前入院した時にやっと西暦を覚えることが出来たのだが、そこから数えることが出来ない……脳の劣化かな? アラフォーって言っとけばだいたい済むので、正確な歳も必要ないし。


 そうして答えのためにええと、と指折り数えていると。

「お母さんは、50だよね(三女)」

「は? なに言ってんの(暴言暴言)。49だよ(次女)」

 この二人は仲が悪い。

 そしてどっちも違う。

「お母さんばあちゃんなの?(長男)」

「お母さん精神年齢だけは18歳だから(長女)」

 長女、長男に変なこと教えないで。


 けなされてるんだか、ほめられてるんだか。

「とりあえず39だよ……」

「お母さん、年齢詐称はダメでしょ」

 本当なんだけれど、みんなの疑いの目が痛い。

 次女の鋭い突っ込みに、今日もガクブルです。

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