異世界少女は仮想世界で夢を見る

工事帽

1.異世界少女は仮想世界に立つ

 ゆっくりと目を開ける。

 目蓋まぶたの裏にも差していた光は、太陽の光だったようだ。足元には石畳。少し離れた場所には、いくつもの建物が見える。そして、建物のない開いた空間の真ん中には、水をたたえた小さな池がある。池の中央には女性をかたどった石像。

 ここ、街の広場と思わしき場所には、柔らかな日差しが差し込んでいる。

 強い夏の日差しではなく、弱い冬の日差しでもない、柔らかな光。その光は久々の暖かさを感じさせた。


 目を開けたことで、他の知覚も動き始めたのだろうか。不意に雑踏の騒めきや、様々な匂いが体を包む。

 少し離れた所には、何人もの人の姿が見える。

 慌てて頭に手をやると、フードはちゃんと被っていた。

 少しだけ安心した後、軽めの隠蔽魔法を発動する。


我は宣言するアサーション。どこにでも存在し、どこにも存在しない。『顔のない群像』」


 身の回りをぼんやりとしたマナが包む。

 見知らぬ街で目を付けられるのは困るが、情報を得るためには多少の会話も必要になるだろう。これならば「どこかの誰か」と会った認識は残っても、「私」と会った認識は残らない。


「あら」


 魔法を使ってみて分かったが、この世界は随分とマナが濃い。世界が作られたばかりの神代の時代だと言われても納得出来る程だ。

 これだけ濃ければ魔法を使える者も多いだろう。あまり隠蔽魔法を過信しないほうがいいかもしれない。

 いで意思疎通の魔法を唱える。


我は宣言するアサーション。マナよ、その波動に意志を乗せよ。『形ある言霊ことだま』」


 これで話す言葉が違っても、言葉に乗る意志を一度マナに変換することで、会話が可能になる。

 さて、これからどうしようか。

 この街、ここの住民、この世界の情報を得たいけれど……。


「ようこそ異邦人いほうじんよ」


 不意に聞こえてきた声に身を震わせる。

 異邦人。

 それが意味するのは何か。

 ここ・・に現れた瞬間を見られたのか。


 不躾ぶしつけな声を掛けてきたのは髭面の男だった。嫌な記憶を思い出させる顔だ。

 口髭は整えられているものの、その存在自体が汚らわしい。


「ここは始まりの街『ファースト』。異邦人たちが初めに降り立つ場所だ。この街にはいくつもの店があるが、買い物には……」


 煩わしい。そしてそれ以上に汚らわしい。

 情報を得ようと思ったが止めだ。一方的に捲し立てる無礼者に付き合う必要もない。


我は宣言するアサーション。風よ切り裂け。『姿なき獣』」


 無礼者が二つに分かれて転がる。

 だが、生き物ならば当然あるはずの血が飛び散るわけでも、内臓が零れ落ちるわけでもない。


(これは、……人形ですか)


 違和感のないほど人に似せた人形を作っておいて、やらせることは一方的に捲し立てるだけとは。

 視線を感じる。

 隠蔽魔法は、特定の個人だと認識しにくくなるだけで、目に見えなくなるわけではない。

 足早に広場を離れる。


              *


「えっ? なんでチュートリアルおじさん死んでんの?」

「街の中って攻撃禁止だろ。どういうことだよ」


 広場に数人のプレイヤーが集まって、二つに切られて転がっているNPCを遠巻きに会話をしていた。

 新規にゲームを始めると、ログイン直後に話し掛けてくるNPCだ。

 特に名前はないが、プレイヤーからは『チュートリアルおじさん』と呼ばれている。


 会話の内容は買い物にはお金が必要で、お金を手に入れるためにはギルドに登録してクエストを熟すのがいいだろう、という、RPGの導入によくある、チュートリアル的は会話だけだ。

 最後まで話を聞くと、マップにギルドの位置が表示されて、ギルドに行くことでクエスト受注のチュートリアルへと続く。


「誰やったんだよ。チートかよ」

「ローブ姿だったらしいけど……」

「誰か鑑定してないの?」


 転がっているNPCは、表面こそリアルなモデルが作られているが、切り裂かれた断面は白く見えているだけだ。中身まではモデリングされていない。

 そのせいか、転がっている姿も、死体というよりは等身大の人形のように見える。


 理由はいくつかある。リソースの節約、残虐的な表現の制限、作成コストの抑制。それでも、倒されることが前提の魔物は、不自然にならない程度の流血表現が設定されている。

 つまりこのNPCは、戦闘が想定されていないのだ。必要のない中身まではモデリングされていないのも当然だろう。


 それは、街の中などの非戦闘区域では、攻撃が出来ないからでもある。

 正確に言うならば、攻撃しても攻撃力ゼロの判定になり、NPCを殺したり、建物や屋台を壊したりすることが出来ないからだ。


「運営に言っておいたほうが良くね?」

「チュートリアルおじさんと話ししないとギルド入れないし、連絡したほうがいいだろうな。新規が困る」


              *


 開いたままの街の門を出ると、そこには草原が広がっていた。

 申し訳程度の道が、蛇行しながらどこかに続いている。狭い道だ。わだちの跡も見えない平坦な道。それ以外は、低い草が一面に広がる草原だ。

 起伏すらないその草原には多くの人と、多くの白く小さい生き物がいた。


 白い生き物は四本の脚で走り、跳ねる時だけ後ろの二本の脚を使っている。高さは人の膝くらい。長い耳を持っているが、戦いでは邪魔なだけだろう。

 人は武器を振り回して白い生き物を攻撃している。武器を振るっている者に比べて少ないが、魔法を撃っている者もいる。

 今も一匹の白い生き物が倒れ、消えて行く。残ったのは一塊の肉。


(マナが結晶化した魔獣?)


 消え去る、ということはまっとうな生き物ではないのだろう。肉の塊だけが残るのも謎だ。

 そして別の場所からは同じような白い生き物がポンッ、と現れる。生れたてと言っていいのか、先ほど消えた生き物と同じ大きさのものが現れた。


(……弱い魔獣のようだけど)


 振り返れば開いたままの門がある。

 街のすぐ前で魔獣が発生しているのに、門を開いたままというのはどういうことだろうか。

 かつての自分の居城のように、結界で守られている気配もない。それでいて、門は開けたまま。いくらなんでも不用心に思える。


「不思議な世界ね」


 濃いマナがあり、街の中では人形が我が物顔で歩き、街の外では魔獣が沸く。

 別の場所で倒れた魔獣は、白い毛皮を残したようだ。


 魔獣の相手はせずに周りを見て回る。

 この白い魔獣は、攻撃されない限りはその場で草を食べるだけのようだ。必ず人からの攻撃で戦いが始まる。


 魔獣も弱いが、人も弱い。剣の振りは鈍く、魔法も初級というにもはばかれるくらいに情けない威力しか出ていない。弓を撃つ者に至っては見当違いの方向に矢が飛んでいる。

 辛うじて人のほうが強いが、魔獣が複数で襲い掛かれば簡単に覆される程度のものだ。


「ひいいいいいぃぃ」


 見て回っていると、もっと酷いのが居た。

 人から攻撃しなければ襲われないのに、白い魔獣から逃げ惑っている少女。逃げ惑う姿は無様で可愛らしくて笑えてくる。

 少女が転んだ。

 転んだところに白い魔獣の体当たりを受けて、ゴロゴロと私の方まで転がってくる。


「大丈夫かしら?」


 転がったままの無様な恰好をした少女に声を掛ける。

 片手には少女を突き飛ばした白い魔獣の首を掴んで。


 顔を上げた少女は涙目になっていた。

 茶色い髪の毛は、首が見えるほどの長さがある。その髪の毛には、これだけ転がっていたにも関わらず、草の一つもついていない。

 転がったままの恰好で、私の姿と白い魔獣を繰り返し見る。


「私、いつも鈍臭どんくさくて……」


 白い魔獣を握りつぶした後で、少女が言った言葉がそれだった。


「それで、DEXが成長しやすい盗賊見習いを選んだんですけど、やっぱり上手く戦えなくて……」


 涙目だった顔は、捕まえた魔獣を見てはビックリした顔になり、ついで笑顔になったかと思えば、今はまた泣きそうな顔だ。コロコロと変わる表情は小動物的な可愛らしさがある。


「あなたには無理じゃないかしら」


 私の一言で再び涙がにじむのも可愛らしい。

 もう少し変わる表情を愛でていたくなって、言葉を重ねる。


「何か得意なものはないの? 魔法とか」


 これだけマナの濃い世界なら、大した努力もなく使えるようになるはずだ。しかし、この少女は首を横に振った。


「お菓子作りくらいしか……」

「いいわね。ならあなた、料理人になりなさい?」

「えっ」


 今度は目がまん丸になった。


 コロンと名乗った少女に、料理人になることを承諾させた。

 別に、戦うだけが生きるすべではない。かつての世界では、戦う者のほうが少数だった。最も多かったのは畑を耕し、食料を作る者たち。街においては作られた食料を運び込み、加工する者たちだった。

 すぐそこが街なのだ。であれば、戦うよりも運搬や加工に携わるほうが良い。


 転職にはギルドに行く必要があるとか、戦ってレベルを上げないと、スキルも取らないと、それに料理器具が、なんてグズグズ言っていたが、まあ、些細なことだ。


 ギルドで商人見習いに変更してきたという、コロンという名前の少女と一緒に草原を歩く。

 見た目はさっきと変わらない。コロンが持っている武器もナイフ一本なのは変わらない。

 料理人になるためには、商人見習いから商人になって、その後に条件を満たせれば料理人に転職出来るのだそうだ。人のルールとは面倒な。


 そのためには、魔獣を倒してレベルを上げるのだと言う。

 料理人になるために魔獣を倒すというのは、この街のルールなのだろう。どんな意味があるのかは分からないけれど。

 そうなると、まったく戦えないこの少女の場合は、街の中で加工する仕事にさえつけないということか。


 知り合ったばかりで、なんの義理もない少女だが、料理人になれと言った手前、少しだけ手伝うことにする。


「さあ、ナイフを構えて。ナイフはもっと前に。そのまま動いちゃダメよ?」


 不思議そうな顔をしているコロンに、言い聞かせてから魔法を使う。


我は宣言するアサーション。風よ運べ。『姿なき運びて』」


 周囲にいくつもの、つむじ風が起こる。

 風は私の指定した魔獣を宙に巻き上げ運んでくる。


 サクリ。


 風から落とされた魔獣がコロンのナイフに刺さり消滅する。


「えっ、えっ、ええーーー」


 動揺するコロンに再度、動かないように命令して、次々と魔獣を運ぶ。

 周囲には瞬く間に、魔獣が落とした肉と毛皮が積み重ねられた。

 草原には、他にも白い魔物を狩っている人が居た。その幾人かは、コロンの叫び声がよほどうるさかったのか、目を丸くしてコロンを見ていた。


 コロンが懸命に、落ちている肉と毛皮を片付けている。


(魔法、使えないと言ってなかったかしら)


 コロンが手にした肉も毛皮も直ぐに消えて、コロンは次の物に手を伸ばす。

 マナの流れを見れば、異空間への収納だということは分かる。コロンによると誰でも使えるというが、世界の裏側に空間を作り出すのは簡単ではない。

 それを自称とは言え、魔法が使えないと言ったコロンが当然のように使っている。そして草原で拙い魔法で戦っている者たちも収納は使えるという。


(不思議な世界ね)


 マナの濃い世界だ。魔法を使える者が多いのは、分かる。だが、その技術は随分と偏っているように見える。それどころか、異空間への収納を魔法と認識してさえいない。


「おっ、終わりましたっ」


 沢山転がっていた肉と毛皮は一つも残っていない。


「それで、その、今日はもう時間がなくて、それで、ログアウトする前に、友人登録とか……」


 コロンは言いながら目の前の空中と指でポチポチつついている。


「あれ? 出来ない、なんで?」


 何をしようとしているのか分からないが、これもこの世界特有のルールだろうか。

 コロンから聞き出した限りでは、友達登録をするとすぐに連絡が出来るとか、ログアウトしてもアバターが残るから安全な宿の部屋じゃないと危ないとか。意味が良く分からない。どうもこの世界には、不思議なルールが沢山あるらしい。


 宿だという建物の前でコロンと別れる。

 友達登録が出来ないとなげいているコロンには、私から会いに行くから、ちゃんと料理の練習をしなさいと言って誤魔化した。実際、コロンにはマークを付けたから、いつでも居場所は把握できる。


 無様で可愛らしい少女。魔物に殺されるのが惜しくて助けてみたが、想像以上にこの世界特有のルールが垣間かいま見えた。

 マークを追いかければ、コロンが宿屋の二階に上がるのが分かる。

 この街を見回れば、もう少しこの世界のことが分かるだろうか。それとも他にもコロンのような人間を探してみるか。

 コロンは道に面した部屋に入っている。

 窓を見上げる、あの窓の向こうがコロンの泊まる部屋だ。

 ならば、そう、街を見回った後は、少しばかり『味見』をしてみるのもいいかもしれない。


              *


 その日は興奮しっぱなしでした。ログアウトした後も興奮は治まらず、家族からは何かあったの、と言われたくらいだもの。

 私よりも小さい少女のアバターを使っていた彼女は、ローブ姿でフードを被った姿で現れ、一番弱いはずのウサギ相手に死に掛けた私を助けてくれた。


 モンスターなら角が生えてたり、牙が長かったりするイメージがある。でも、あのゲームで最初に戦うのは、ただのウサギ。角も牙もない。角は牙を持つウサギはもっと先で出て来るらしい。それなのに、飛び掛かってくる動きが早くてダメだった。


 そして圧巻だったのは、レベル上げを手伝ってくれた魔法。あれはなんて魔法なんだろ。風でぶわーっと巻き上げてナイフの上に落として、もう、すごかった。

 私は何もしていないのに、どんどんレベルが上がっていった。

 あんなことが出来るんだもの。きっとすごいレベルが高いプレイヤーなんだろう。


 それにドロップも全部持って行っていいと言われた。

 そりゃあ料理の材料とか、調理器具を買うお金とか、必要なのは確かだけど、会ったばかりの彼女に甘えすぎじゃないかと心苦しくなった。


 商人見習いから商人に転職するためには、10レベルが必要だった。それは十分に上がったから、直ぐに商人になれる。後は溜まってるスキルポイントを使って、料理スキルを手に入れて、スキルレベルを上げれば料理人に転職出来るはず。

 スキルを取るのはスキルポイントだけで済むけど、スキルレベルを上げるのは繰り返しの行動だけ。料理のレベルは料理を沢山作らないと上がらない。


 がんばって早く料理人に転職しよう。料理人になれば、作った料理にバフが乗るらしい。

 バフが乗った料理なら彼女にお礼として渡しても、迷惑にならないと思う。


 攻略サイトの情報だとバフを乗せるには味付けがシビアみたい。食材の種類と、組み合わせる調味料で決まるらしい。中には、バフの量を増やそうとすると、味が壊滅的になる組み合わせもあるなんて聞いた。

 リアルでも料理はそこそこやってるし、多分、なんとかなるはず。


 そうして私は、翌日、決意を新たにログインした。


              *


「えええええぇぇぇぇーーー!」


 宿の部屋に叫び声が響き渡る。


 すぐ隣で大声を出すのは辞めて欲しいものだ、そう思いつつ身を起こす。

 なるほど、改めてマナの流れを見れば、これがログインした状態だというのがよく分かる。つまり、コロンの言うプレイヤーというものは、人形に魂を憑依ひょういした状態だということか。


「な、な、なんですかあなたはーーー」


 狭い一人用のベッドだ。

 ベッドの上を端まで逃げたところで、距離なんてほとんど変わらないのに。


「誰なんですか、なんなんですか、ひっ、人を呼びますよ」

「あら。覚えていないの? 流石に失礼じゃないかしら」

「えっ? えっ? えっ?」


 混乱するのも無理はない。多少の手伝いをしたとは言え、隠蔽魔法で「私」を隠しての接触だ。知らない人が隣で寝ていたという認識なのだろう。

 だが、そんなことは承知の上で、恩知らずだと言って見せればあっという間にコロンは涙目になる。可愛いものだ。

 コロコロと変わる表情は良いものだ、今度はぜひログインしている時に『味見』をしよう。


 料理の練習をしたいというコロンに付いて、宿屋を出る。

 行く先々で質問をしたところ、大半は常識の範疇はんちゅうだったらしい。不思議そうな顔で答えてくれた。特にギルドはプレイヤーが全員登録している組織で、そこに登録することで初めて職業が選択できるのだと言う。


 最後に辿り着いたのは、屋台が並んで居る一角だった。

 見る限りでは、全て食べ物の屋台のようだ。屋台で調理も出来るようになっている。調理器具のないコロンは、屋台を借りて料理の練習をするらしい。

 料理が作れない者が、料理人になれるわけがないのは分かる。ただ「スキルレベル5」というのは誰が判断するのだろう。


 早速、料理を始めるコロンの後ろ、少し離れた所に立ってあたりを眺める。

 屋台の中で腕を振るう料理人も、屋台の前を料理を物色して歩いている誰かも、コロンと同じようにログインした状態を示している。

 その姿は馬鹿馬鹿しい程に多様だ。

 鎧姿、ローブ姿、腰布一枚だけの姿もある。髪の色も、瞳の色もバラバラだ。黒、赤、緑、ひと房だけ白だったり、天に向かって逆立っていたりする。


(これなら隠れる必要もないかしら?)


 赤い瞳のプレイヤーを見つけてそう考える。

 故郷では赤い瞳というだけで魔物扱いされていた。この街で隠蔽魔法を使ったのもそれが理由だった。だが、赤い瞳が問題にならないのであれば、隠蔽魔法で身を隠すほうが危ういかもしれない。


(人形を使役する誰かに、隠蔽魔法がどう映るかね)


 昨日、今日と、誰かに誰何すいかされたわけではない。しかし、これだけ高度な人形を使役する者だ、隠蔽を看破する方法の一つや二つは持っていると見て間違いない。


 この屋台の一角にしてもそうだ。屋台を借りる手続きをしていた女性は、昨日壊した髭面と同じ。ただの人形だ。屋台の手続きのためだけに存在しているのだろう。

 屋台で調理に使われているのは魔法道具だらけで、何に使うのか分からないものも多い。


「出来ましたよー。お一つどうですか」


 コロンからは串に肉の刺さったものをもらう。


「……初めてなんでバフは何もないんですけど」


(食事ですか)


 物を食べるというのは久々だ。

 何も食べなくても、マナを吸うだけで十分に活動に足りた。

 久々の行為に懐かしさを感じるにはその記憶は遠すぎた。意を決して一口齧ると、口の中に僅かな塩味と肉汁が溢れる。


(面白いわね)


 久々の食事は面白かった。この味が良いものなのか悪いものなのかは、久々過ぎて分からないが、食べるという行為は面白かった。料理人を推した甲斐があったというものだ。


「もう一つもらってもいいかしら?」

「もちろんです! 沢山作りますから、好きなだけ食べてください」

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