ある晴れた日に②〜告白〜
お父さんが死んだ理由は意外と早く知ることが出来た。
仏壇の前で正座をしたまま戻ってこないジャンを待ちきれず,魚とチキンのグリルを先に頬張っていた。二杯目のお代わりをしようとしたころ,食卓にジャンが姿を現した。
「どうしたの? 今日はいつにも増して長かったね」
「ああ,親父さんに許可を取ってきた。ソラに・・・・・・その,あの時の話をしていいかって」
ジャンはぼくの質問に対して,お母さんの目を見て答えた。ジャンの答えを聞いた母は食器を置いた。
「言うって。あんたは何だか勘違いしている節があるから話が正しく伝わらないわよ。時期が来たら私から言う。あの事故は誰にも防げなかった。私も後悔してる」
「いや,あれは事故なんかじゃない。卑怯なガキが招いた結果だ。おれは,・・・・・・世話になった人に仁義も通さない生き方をした。親父さんが一番大切にしていたことを,おれは実行できないどうしようもないやつだ」
「何言ってんの。あの時はほんの小さな子どもだったじゃない。誰にもあんたを責める権利はない。なにか思うことがあるなら,これからの世界を守るために精進しなさい。さ,食べた食べた」
「それでもおれはあの時の自分が許せない。一生償っても償いきれない!!! ・・・・・・ソラ,お前の親父さんを殺したのは,・・・・・・おれなんだ」
「ジャンッッッ!!!」
お母さんとジャンの声が重なった。「あなたはどうしてそんなに自分を責めるの」とお母さんが涙声でつぶやいた。一瞬の沈黙の後,ジャンはあの日の出来事について話し始めた。
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