第27話  領主の一人娘レティティア


 次の日僕達兄妹は領主様のお屋敷の中にいた。領主様のお屋敷は、やはりとても大きかったが、派手な感じではなく、歴史を感じる風情のある館だった。


 館の前まで行くと門に立っていた人と使用人さんから客室まで案内されていた。


 僕達三人はとても大きいふかふかのソファに腰を掛けていた。


 しばらく待っていると、領主様と思わしき男性が来た。領主、ヘンリさんは子持ちの父親とは思えないほど若々しいハンサムな男性だった。


「やぁ、君たちが黒の三兄妹だね。私はこの街で領主をしているヘンリクス・グラン・エルフォードだ。今日は、わざわざ来てくれてありがとう。君たちの輝かしい活躍は耳にしているよ。会えて光栄だ。」


 僕達はソファから立ち上がり挨拶をする。


「いえ、こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。私は永見和樹と言います。こちらが弟の幹太と、妹の章子です。」


 お兄ちゃんが僕達の紹介もする。


「初めまして、僕もお会いできて光栄です。」

「初めまして、よろしくお願いします。」


 僕と章子も適当な挨拶を返す。


「ほら、レティも挨拶しなさい。」


 ヘンリさんは後ろに隠れていた白い髪の章子と同じくらいの身長の女の子に声をかけた。白髪の少女はおずおずと前に出てきた。


「わ、私はレティティア・エリザ・エルフォードです。始めまして。」


 この少女の肌は雪のように白く、瞳の色は血のように赤色だった。この外見はこの世界でも珍しい。ヘンリさんは薄い茶色の髪と瞳をしている。白髪の少女とは似ても似つかない。


 そう、これこそがこの少女の抱える身体的な問題なのだ。章子から聞いた話では、あまり外に出ることができないらしい。白い肌は紫外線にとても弱いのだ。日焼けなどは回復魔法で直すことができるので、そこまで大した問題でもないようだが、引きこもりがちになっているそうだ。体も少し弱いそうだ。


 章子はレティちゃんが引きこもりがちになっているのは健康上の問題ではなく、精神的な問題によるものが大きいと思っているそうだ。仲良くなって何か手助けできないかなとか、そんな身の程知らずなことを考えているそうだ。

 レティちゃんは11歳の女の子だ。妹は親近感を抱きやすかったのだろう。


「この子は君たちに会いたいってずっと言ってたんだ。」


「パパ、それは言わないでよ…。」


 レティちゃんは恥ずかしそうに顔を伏せる。すでにそのことは、ギルド長のザックさんから聞いているが、僕達の目の前で言われるのは嫌であろう。章子が少し前に進み出て、レティちゃんの前に行く。


「そうなんですか!とても嬉しいです!私もレティティア様にお会いしたかったです!握手しましょう!」


 章子が元気よく話しかける。


「え、あ、レティティア様なんてレティで良いです。あ。」


 章子はレティちゃんの無理やり手を取って握手をする。


「よろしくね、レティ様。」


「は、はい。でも、様もいらないです。ショーコ様…。」


 妹はグイグイ行っている。領主の娘にここまでできるほど章子に度胸があるとは思っていなかった。今日は章子の友達作ろう大作戦のための計画をいくつか練ってきたがあまり必要無さそうだな。


 だが、作戦を無駄にするのはもったいない。いくつかの計画は実行させてもらおう。


「仲良くできそうで良かったよ。せっかく来てもらった三人には申し訳ないんだが、私は少し忙しくてね。仕事に戻らなくてはいけないんだ。あとは、娘の相手をしてもらえるととても嬉しい。ぜひ、ゆっくりしていってくれ。それじゃあね。」


「あ、パパ。」


 ヘンリさんはそう言うと部屋を出て行ってしまった。章子に手をつかまれたままのレティちゃんはヘンリさんを引き止めることができず、一人残されたような形になってしまう。


「そういえば、レティちゃん、今日はプレゼントを持ってきたんだ。」


 そう言うと、章子は大きな白い箱を出した。


「そ、そんな。来ていただいただけで十分です。本来ならば私がお礼をしないといけないのに…。」


「できれば、もらって欲しいな。せっかく買って来たんだし。ケーキ好き?」


 章子はそう言うとケーキの箱を渡す。


「もちろん好きです。甘いものは大好きです。それでは、ありがたく頂きます。その、皆さんも一緒に食べましょう。サラ、あのこれ、出して持ってきてくださいませんか。」


「かしこまりました。」


 レティちゃんはケーキの箱を受け取ると、控えていたメイドさんを呼び、箱を渡した。サラさんと呼ばれたメイドさんは箱を受け取るとどこかに行ってしまった。


 現在この部屋には、僕たち三人とレティちゃんだけしかいない。おそらく僕たち三人は思っただろう。邪魔者は消えた。と。ここからは自由に作戦を実行することができる。僕は作戦実行の決意を固める。


 お兄ちゃんが動き出した。


「俺からも贈り物です。受け取っていただけると嬉しいです。」


 お兄ちゃんはレティちゃんの前に行きプレゼントを渡す。


「そ、そんな、カズキ様まで、私も何か準備するべきでした。これは、人の骨ですか?」


 お兄ちゃんが渡した者はスケルトンのフィギュアだった。骨を灰色の石で作り、関節など宙に浮いている部分はガラスのような透明な石で作っているようだ。昨日の夜はずっとこれを作っていた。こちらの世界の解剖の本を見ながら、骨学の復習になると言って楽しそうに作っていたのだった。


 正直、兄貴は馬鹿だと思った。どこの世界にリアルな人体骨格をプレゼントされて喜ぶ女の子がいるのだろうか。お兄ちゃんが骨学の復習がしたいと思っただけだろう。


 しかし、本当に楽しそうに作っているお兄ちゃんを僕も章子も止めることはできなかった。


 なぜならば、冗談抜きで本当に楽しそうだったからだ。キラキラした目線で、「このスケルトンかっこよくないか、絶対喜んでくれるよな?」なんて言われた時には、「う、うんそうだね。」としか返せなかった。もし、フィギュアを渡すのであれば、絶対に狼獣人のノアさんやエルフのエリスさんのフィギュアの方が良いだろう。


「これは、この街の迷宮の51階層以降に存在する魔物スケルトンの模型です。魔法で作ったんです。」


「そうなんですね。迷宮にはこんな魔物がいるんですね。魔法で作れるなんて、すごく綺麗な模型ですね。宝物にします。」


 レティちゃんは予想とは違いとても嬉しそうに受け取った。お兄ちゃんも嬉しそうだ。


 レティちゃんはなんていい子なんだ。こんな変な贈り物を嬉しそうに受け取るなんて。


 お兄ちゃんは章子ちゃんの目の前から離れる。次は僕の番だな。章子がちらりとこちらを見る。作戦実行の合図だろう。


「ウヒ、レティちゃんかわいいなぁ、グヘへ。僕、レティちゃんと握手したいなぁ、グヘへ。」


 僕はそんなことを言いながら、レティちゃんににじり寄る。


「そんな、可愛いだなんて…。」


「幹太、あんた、とうとう本性あらわしたわね。レティちゃん安心して、この変態は私がレティちゃんには近づけないから。」


 章子はそう言うと僕とレティちゃんの間に立ちふさがり、レティちゃんを守るような態勢になる。


「グヒヒ、レティちゃんと握手したいよぉ。」


 僕はゾンビのように近寄ろうとする。両手をもみもみさせて、レティちゃんになるべく恐怖心を与えるようにする。


「えーと、握手ですか、良いですよ。」


「大丈夫だよ、レティちゃん、心配しないで。この気持ち悪い男は今から私が退治するから。」


「お前に僕が倒せるのかなー。」


 僕と章子は向かい合う。章子は腕を上げて僕の方に向ける。


「倒してやるわ!いくわよ!必殺クソキモ変態男浄化弾!」


 章子がそう言うと手のひらから、光の弾が飛び出す。眩しく光る玉はそのまま僕の胸に当たる。


「ぐわー、僕のレティちゃんに対する劣情が浄化されていく―。わーやられた―。バタン。」


 僕は床に倒れる。床はじゅうたんが敷かれていた。この部屋では土足なので床にうつぶせるのは少し抵抗があったが、そんなことは気にしてはいられない。僕はしばらくうつぶせのままだ。


「やったよ。レティちゃんこれで悪は滅びたよ。もう安心していいからね。」


「えーと、はい、ありがとうございます。ショーコ様。」


「様なんていらないよ。」


「いえ、とんでもないです、ぜひ、ショーコ様と呼ばせてください。」


 どうやら、レティちゃんと章子の仲は深まったらしい。


 そう、これこそ、悪い奴から守って友情を深める作戦だ。今回の作戦は大成功だったと言っていいだろう。


 良かった。僕も体を張った甲斐があったよ。でも、どうしてかな。立ち上がるタイミングを失ってしまった。顔を上げるのが恥ずかしい。


「お待たせいたしました。」


 サラさんというメイドさんが戻ってきたらしい。ケーキとお茶とお皿を持ってきてくれたようだ。


「ありがとう、サラ。」


「いえ、こちらの倒れている方は何があったんですか?」


 サラさんは寝転んでいる僕を指して言っているのだろう。


「あ、僕は大丈夫です。ごめんなさい、邪魔でしたよね。」


 僕は急いで立ち上がる。


「ショーコ様とカンタ様で楽しい劇を見せてくれていたんです。サラにも見せてあげたかったです。」


「そうなんですね。見逃してしまって残念です。」


 いや、あんなものは、到底他の人には見せられないだろう。僕の精神力もそこまで強靭では無いのだ。


 お兄ちゃんは先ほどから無言である。お兄ちゃんはこの『変態から守って仲良くなろう作戦』には参加していなかったのだ。昨日僕と章子が作戦会議をしている時、お兄ちゃんは複雑そうな表情でこちらを見ていた。今もそんな表情で僕のことを見ていた。


 僕達は再びソファに腰を掛けた。僕とお兄ちゃんは同じソファに座り、机を挟んで向かいのソファに章子とレティちゃんが並んで座る。


 実はこれも作戦の一つでさりげなく隣に座ろう作戦である。隣に座るという物理的に近い位置に着くことで、心理的にも近づくことができるのだ。机を挟んで座ると、机という物理的な障害が心理的な障害にもなりうるのだ。


 サラさんが机に20個ほどあるケーキとお茶とお皿を並べてくれる。章子はケーキ買いすぎだろう。


「レティちゃんは何が好きなの?先に選んで欲しいな。」


「それでは、これをいただきたいと思います。」


 レティちゃんはショートケーキをお皿に取った。


「じゃあ、私はこれをもらうね。お兄ちゃん達も選びなよ。」


「そうか、それでは、ありがたく頂きます。」


 お兄ちゃんは緑色のケーキを選んだ。そのケーキには一体何が入っているのだろうか。


 僕はレティちゃんと同じショートケーキを選ぶ。


「サラさん、ご準備ありがとうございます。」


「いえ、ごゆっくり。」


 サラさんはそれだけ言って、席から離れる。


 僕達はいただきますと言って食べ始める。


「美味しい!このケーキ美味しいね。レティちゃんは食べないの?」


 レティちゃんはどうやらまだ食べ始めていなかった。


「あ、いえ、食べます。いただきます。」


 レティちゃんは両手を合わせていただきますと言い。ケーキを食べ始める。


「本当ですね。美味しいです。」


 レティちゃんは喜んでくれている。章子のプレゼント作戦は大成功だったな。


 僕達はすぐにケーキ一個を食べ終わる。


「それにしても、こんなに多くは食べきれませんね。ショーコ様、残りは家の者にあげても良いですか?」


「もちろん。レティちゃんのものだから、レティちゃんの好きなようにしていいよ。」


「それでは、サラ、残りは皆さんで分けて食べてください。」


「承知しました、ありがとうございます。それではお下げいたしますね。」


 サラさんはお皿とケーキをもって部屋から出て行った。


「レティ様、僕からもプレゼントを渡しても良いですか?」


 僕は25枚ほどの紙を出した。紙は穴をあけて糸で結んであり、薄い冊子のようにしてある。手書きの童話という自分がもらっても絶対に嬉しくないものを渡すのは気が引けるが、せっかく書いたので渡しておくことにする。ユリーシアさんにも文章の訂正とかをしてもらったので、渡さないわけにはいかないのだ。


「カズキ様には劇までしてもらったのに…、二つもいただくのは申し訳ないです。」


「いえ、さっきのは、劇では無くて作戦ですよ。大したものではないので、受け取ってください。」


 レティちゃんは冊子を受け取る。


「これは?」


「僕達の故郷の童話です。本が好きだと聞いたので、いくつか書いてきました。もし関心があれば読んでください。」


「皆様の故郷のですか、とても嬉しいです。ありがとうございます。絶対読ませていただきます。」


 とりあえず、喜んでもらえたようで良かった。


「本当に?嬉しく無かったら嬉しくないって言ってもいいんだよ。」


「いえ、とても嬉しいです。こんなにたくさん、手書きでとても大変だったでしょう。私のためにここまでしてもらえるなんて感激です。」


 僕には、レティ様が輝いて見えた。とても眩しい。


「気を使わなくてもいいんだよ。」


「止めろ、章子、レティ様はそんな悪いお方ではない。」


 失礼なことを言い出した章子を止める。


「カンタ様も、様なんてつけないでください。」


「恐縮です。レティ様と呼ばせてください。」


「幹太って救いようが無いわぁ。レティちゃん、実は私達三人で誰のプレゼントが一番気に入るか勝負をしてたんだよね。誰のプレゼントが一番嬉しかった?」


 章子が直球で聞き出す。もっと他にも聞き方があるだろう。


「そういうことだったんですか。うーん、ですが、どのプレゼントもとても嬉しかったです。優劣なんてつけられません。」


 レティ様は少し悩んだ後、答える。レティ様はなんていい子なんだ。上辺だけの台詞ではなく本心からの台詞だと直感が告げている。レティ様の白い体は輝いていて眩しい。後光が差すとはこのことだろう。レティ様のような妹が欲しかった。


 章子の性格の悪さが際立って見えてしまう。レティ様が太陽だとすれば、章子はブラックホールにたとえられても不思議ではない。


 だが、これは不味い。今回は章子とレティ様を仲良くさせないといけないのだ。章子のイメージアップをさせなくてはいけない。章子の良いところをアピールしなくてはいけない。


 しばらく僕が考えていると、お兄ちゃんが口を開いた。


「実は章子は自分の髪を切って渡そうとしていたんだ。流石にそこまでのことはしない方が良いと言って止めたんだが。」


「ちょっと、お兄ちゃん何言ってるの!?」


「そ、そうだったのですか!!」


 妹は兄に向かって驚く、レティ様は妹に向かって驚く。


「レ、レティちゃん顔が近いよ。」


 レティ様は妹の顔に近くに顔を寄せていた。


「ご、ごめんなさい。」


「章子はレティ様のプレゼントのためにかなり張り切っていてな。よっぽど喜んで欲しかったらしい。ケーキなんかで良いのか少し不安だったようなんだ。」


「なるほど、そう言うことだったんですね。それで私がどのプレゼントが一番だと思っているか気になったということですか。」


 レティ様は勝手に何かを納得している。少し論理の飛躍とずれを感じる。


「え、えーと。」


 妹は困惑気味だ。


「ショーコ様、その黒くてお美しい髪をわざわざ切って私に贈ろうとしてくれるなんて、私その気持ちだけで感動しました。先ほどの質問に対する答えですが、訂正させてください。ショーコ様のケーキが一番嬉しかったです。ありがとうございました。」


 レティ様は章子に少し興奮気味で言った。


「そ、そっかぁ。良かったー。」




 レティ様は最初に会った時から、章子の長い黒髪をチラチラ見ていたのだ。そこにどういう気持ちがあったのか、僕には推し量りきれなかったが、お兄ちゃんは狂気じみた黒髪への羨望を感じ取ったのだろう。


 お兄ちゃんの発言によって、章子が自分の体を削ってでも他人を喜ばせることを優先する聖人であるというようなアピールができたのだ。


 一歩間違えれば、章子がドン引きされる危険なギャンブルだったが、お兄ちゃんはそのギャンブルに勝ったのだ。章子とレティ様の友情ルートはよほどのことが無い限り崩壊しないだろう。ひとまず安心だ。


「と、ところで、どうしてレティちゃんは私達と会いたかったの?」


 章子が気になっていたことを聞き、話題をそらす。


「ああ、それはですね、実は、その黒髪黒目に興味があって。好きな物語の主人公が黒髪黒目なんです。そんな人見たことがありませんでしたので、実際に見てみたいって思ったんです。」


「へー、そうなんだ。イメージ沸いた?」


「はい、とても!皆様、物語に出てくる英雄そのものです!」


「へー何の物語なの?」


「あ、英雄ダインの物語という本なんです。」


 英雄ダイン、僕は聞いたことがあった。アウレリア神話のペルマ人12人の内で一番最初に生まれた人だ。ペルマ人は生まれた順番で12人兄妹という設定になっている。


 そういえば、英雄ダインの物語は昨日ユリーシアさんから借りた本の名前だ。まだ表紙をちらりと見ただけで全く読んでいなかった。読んでおけばよかったな。


「へー、読んでみたいな。」


「それでは、お貸ししましょうか?ぜひ読んで欲しいです。」


「え、良いの?嬉しい、絶対読むよ。」


「それでは、お貸しします。サラに持ってきてもらいますね。」


「レティちゃんは本が好きなんだね。」


「はい。そうなんです。ショーコ様も好きですか?」


「うん、好きだよ。」


 嘘つけ。お前は本嫌いだろ。思わず突っ込んでしまいそうになる。


 まぁ、章子とレティ様は楽しく会話をしている。仲良くなれたようで何よりだ。


 しばらく二人の様子を見ていると、隣に座るお兄ちゃんが小さな声で僕に声をかけてくる。


「その、悪かったな。」


「?、なにが?」


 いきなりお兄ちゃんに謝られて驚く。


「その、お前たちの恥ずかしい劇を止めることができなかったことだ。楽しそうにしているお前たちを止めることができなかったんだ。」


 恥ずかしい劇とは、僕と章子の変態から守って仲良くなろう作戦のことだろう。お兄ちゃんは僕達を止めようとしていたらしい。あの複雑な表情は僕達を止めるか迷っている表情だったのか。


「そんな風に思っていたのか。」


「ああ。」


「結果的に作戦は大成功だった。それでいいだろう。」


「そうだな。」


 そういえば、僕も似たようなことを考えていたのだった。お兄ちゃんがスケルトンのフィギュアを作っているのを止めようと思っていたのだった。でも、お兄ちゃんの楽しそうな表情を見て止めることができなかったのだ。それと似ているな。


 やっぱり、僕達は兄弟だな。そう思うと、僕は少し嬉しくて、口が綻んでしまった。


 それからしばらくレティ様と会話したり、トランプをして、遊んだりした。


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