第103話クリスマス ・・・ 皆ありがとう

クリスマス ・・・ 皆ありがとう

クリスマス―ありがとう


この前と同じく武村と2人、この前と別のお店、ここも初めて、大学の周りには結構おしゃれなお店があるんな~。

今までは、授業が終わったらすぐ・・・・・・。

武村って恵ちゃんとこういう所に来ているのかな、

「武村って恵ちゃんともこういう店に来てるの?」

「ああ、そうだよ」

「そうだよな~」

「お前、授業が終わったらすぐあれだったんだろ」

「・・・・・・うん」

「寂しいな」

「・・・・・・うん」

「そういえば、クリスマス、どうするんだ?」

「・・・・・・バイト」

「24も25もか?」

「いや24がバイト、25は研究会の友達がカラオケパーティーしようって」

「カラオケってそんなに広くないだろ」

「うん、俺入れて4人」

「そうか、彼女いない男4人か・・・・・・」

「違うよ、女子3人と俺だよ」

「クリスマスに女子3人とお前?」

「ああ」

「そんな女子大生いるのか?」

「ああ、1人は先輩で俺と同じく失恋のショックで立ち直れなくてまだ1人って言ってた、あとの2人はなんでだろう?」

「そんな感じか・・・・・・」

「あの2人、綺麗だし明るいし良い子なんだけど、彼氏とかいないのかな~?」

「気になるのか?」

「うん、俺が振られて1人って知ってて、誘ってくれたんだと思う」

「そうか、よかったな」

「うん 武村は恵ちゃんと?」

「24日はお袋と弟、25が恵だな」

「そっか、いいな~」

「お前も純を誘えばよかっただろ」

「あのね、それ言う?」

「あ~悪い、純は1人ぼっちで家で過ごすんだそうだ」

「ふ~ん・・・・・・別に・・・・・・」

そんなやりとりをして、またおごってくれて、また来週って、言ってわかれた。

いつも通り、家に帰って着替えてバイクで塾に、そして家に帰って、ベッド・・・・・・

純が1人で家? あいつとはつきあってないって言ってたからそうなのかもしれないけど、でも、誘われたら行くんだろうな・・・・・・

行かないとしても、純ならそのうち本物の彼氏ができるんだろうから・・・・・・ハア。

25日、今年最後の授業が終わり、部室へ、それと同じタイミングで長澤さんと西尾さんに部室棟の入り口で会った。

「高谷君」

「あー、こんにちは、れ? なんか荷物多くない?」

「うん、だって今日は、クリスマスパーティだから」

「でも、カラオケでしょ?」

「うん、そうだよ、まあ、行ってからのお楽しみ」

「ふ~ん」

部室に入ると柴田先輩が本を読んで待っていてくれた。

「いや~、私も誘ってくれたけど、本当に良いのか?」

「何言ってるんですか、良いに決まってます、っていうか4人で行きたかったんです」

「そうか、ありがとうな」

「いえいえ、予約は平日時間割引があったので14時から19時です。長いですよ~

それじゃあ、行きましょうか」

「はい」「うん」

4人で地下鉄に乗って3駅、2人の後ろを柴田先輩と歩いて行くと、カラオケというよりおしゃれでちょっと高級居酒屋?高そうな居酒屋の雰囲気のおしゃれなお店

「はーい、ここです」

「カラオケ屋、って感じじゃないよね」

「はい、なんかおしゃれでしょ?!」

西尾さんが自慢気に

「うん」

「本当はすっごく高いんですけど、高校の時の友達のお父さんが経営しているんで、割引してもらったんです」

「そうなんだ」

「そうか、じゃあ、たっぷり楽しまなきゃあな」

「はい」

4人で入ると予約していたので、すんなり部屋に通され、

「皆さん、お昼まだですよね」と言ってメニューを見ると、ちゃんとしたお食事のメニューでびっくり

「ここ、ご飯もしっかりしてるんです、どうぞどうぞ」

4人それぞれ食事を頼んで

「じゃあ食べ終わったら、歌い始めましょうか」

「うん」「はい」

和風めんたいパスタに和風きのこパスタ、ハンバーグランチ、俺は久しぶりにデミグラオムライス。

「高谷君って、オタク?」

「なんで?」

「オムライス」

「えっ? 普通じゃない?」

「まあ、普通だけど」

「何で、オムライスが、オタクなの?」

「冗談冗談、最近ラノベにはまって、ラブコメ読んでると必ず出てくるのよ、ちょっとそれ思い出しちゃった」

「ハハハ、そうなんだ」

「高谷君ってそういう小説読んだ事ある?」

「うん、高校の時少し」

「出てこなかった?」

「うん、よく出てた」

「でしょー」

「うん」

「まあ、それだけだけどね」

「そっか」

そんなくだらない話をしながら食事をするのも楽しい。

食事が終わり、ドリンクを頼んで、さあ という時に、長澤さんと西尾さんが

「高谷君、ちょっとまっててね、柴田先輩、ちょといいですか?」

「ああ」

そう言って柴田先輩を連れて部屋の外に出て行った。しばらくして

「じゃん!」

と言って勢いよく部屋に入ってくると、3人がミニスカサンタの衣装。

生足にどっきり。

先輩が恥ずかしそうに、顔を赤くしながらモジモジ。

エロいのと、柴田先輩がかわいいのとで、俺が固まって、思わずじーっと見てしまった。 

「どう? 1人ぼっちの高谷君のために美女3人が大サービス!!」

「・・・・・・」

「ちょっと、何か言いなさいよ」

「うん、びっくり、なんていうか似合ってるっていうか、綺麗っていうか かわいいっていうか・・・・・・エロいっていうか・・・・・・」

「何それ、もうちょっと良い言い方ないの?」

「いや~ びっくりして・・・・・・すっごくうれしいです」

「そう、よかった、じゃあ、高谷君はこれかぶって」

そう言ってトナカイの角のついたかぶりものを渡され、カラオケ開始。

盛り上がった、今までの事を忘れるくらい楽しんだ。

西尾さんは スマホをスタンドに立て、ずーっと録画し、時々お店の人を呼んで写真を撮ってもらいあっという間に時間に。

3人が元の服に着替え、こんど皆で会うのは来年だねと言って解散。

1人電車で、柴田先輩が思いのほかいろっぽかったな~脚が綺麗だった、モジモジがかわいかった。

もちろん2人ともかわいかった、西尾さんのあの胸、長澤さんの生足がメチャエロかったなんて・・・・・・言えない。

また思い出してしまった。

去年のクリスマスの日に、来年は純がミニスカサンタの衣装を着てそれで・・・・・・ってあの時思ったよな~。

うちに帰ると、うちは24日にクリスマス、だから今日は普通の日常。

部屋に入って、あ~ 純の事を思い出してしまう、ほんとめめしいな~

・・・・・・そう言えば 純は1人ぼっちで家に、だっけ・・・・・・いるのかな・・・・・・

「ちょっと出かけてくる」そう言ってバイクに・・・・・・純の家に来てしまった・・・・・・

ストーカーかよ、って独り言を言いながら、 純の部屋を見ると、灯がついている。

本当に1人なんだ・・・・・・また泣きそうに、手でこすってまた見上げると、純の部屋のカーテンが動いて窓を開ける純の影。

やばい 見つかったらストーカーに。

あわてて隠れ、そのままバイクを押して、その場を離れエンジンをかけ、まっすぐ帰ってきた。

全然忘れられない、今だに気になって、なんにもする気がなくそのまま寝てしまった。

めめしいよな。



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