第12話友達2

友達2


昨日、あんな事があった次の日


学校に行くと、顔にキズバンを張りまくって、唇が歪んでいる武村を見かけた。


一瞬目があったので、逸らそうとしたら


「おい、高谷、ちょっと来いや」


えーーっ、何でーー、昨日のお礼だよね? 


それ以外は何もしてないので、ちょっと目があっただけなのにーーー。


一緒にいた友達は、 


「大丈夫か? 先生呼んでこようか?」と言われたが


「うん、大丈夫」 


(武村がバイクの事ばらしたらまずいし)


もし何かやばそうだったら、逃げれば良い、問題があったら、間違いなく武村が停学だから大丈夫と言って、武村について行った。


こういう時は屋上とか、校舎裏に連れて行かれて昨日のことは黙っていろとか言われるのかな、と思いながらついていくと、昼以外はひっそりしている食堂の前に来て、自動販売機でパックコーヒーを買って、俺にくれた。


「昨日のコーヒーの分、これでチャラな」


「あー」


「じゃあな」と言って 武村が戻って行った。


何だったんだろう、でも、少なくとも昨日の事で、目をつけられたわけではない事は明白だったので、それ以上は近づかないようにしようと思い、もらったコーヒーパックを持って教室に戻った。


その時一緒にいた友達は、俺が教室に戻るとすぐに俺のところにやってきて

「何があった? 何かされたのか? 大丈夫か?」 


と聞かれたので、

「昨日貸したお金、返してくれた」


と言ってごまかして、


「それでこれ買った」 とコーヒーパックを見せ、にやッと笑ったら、


「なんだそりゃ」とあきれたような顔そして席に戻って行った。



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