第32話 砂場

子供の頃、公園の砂場に行くと、さっちゃんというおさげがみの子がいつもいた。

不思議な事に母親達には、見えてない。


夕暮れになると、私達はお母さんと一緒に公園を後に帰宅した。

さっちゃんは一人残り、砂場で遊んでいる。


ある日、さっちゃんに家に帰らないのか尋ねた事があった。

さっちゃんは

「おうちに帰れなくなっちゃったの。

遊ぼう。」

笑顔で答えた。


いつも暗くなってもさっちゃんは遊んでいる。

さっちゃんの両親も見たことがない。


そんなある日、警察がやって来て公園を封鎖していた。

砂場を掘り返しているようだ。

大きなブルーシートが出され目隠しがされた。


その後、子供の白骨遺体が出たと噂できいた。

砂場に、さっちゃんの姿はもういない。


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