第521話 大魔王の側近

「これってお土産用に持ち帰り出来るのかしら?」

ショッピングセンターの三階に出店した、新ダンジョン都市(仮)の小洒落たカフェの王都支店でわたくし達は食後のお茶を楽しんでいた。


「アイス類は無理ですけどケーキやプリンなんかはテイクアウト出来るぴょん」

ちょっと貴女リア土門家ウチのメイドでしょ、なんでここでバイトをしてるんですの!

えっ、人手が足りないから15号さんに駆り出された?

他のメイド隊も結構ショッピングセンターのあちこちで手伝ってる?

ま、まあ、急遽開店したのですし仕方がないのですかね…


「では、うちの子供のお土産に苺のショートケーキとチョコレートケーキとばあむくぅへんとシュークリームを二個ずつ…」

今年5歳になる姪がそんなに食べれる訳がない、義姉はほとんど自分で食べるつもりだ。


「ショートケーキとシュークリームは日持ちしないぴょん」

ウチのメイドで兎獣人のリアが義姉に確認する。

「じ、侍女達にも分けますから大丈夫なのです」

おほほほほって笑って誤魔化してるけどたぶん義姉は自分で食べる。


「ええっと、このプリンという菓子を15個別に包んでくれるかな?」

お兄様がため息をつきながら宰相家付きの侍女の人数分のプリンを追加で注文した。


~・~・~


「会長代理、『帝国』の商業ギルドが我々の傘下に加わると回答して来ました」

ビシっとビジネススーツで極めた鬼人族の16号が報告する。


「勇者国、獣人国、エルフの里、神聖皇国に続いて五ケ国目か…」

ドモン商会の執務室でダークエルフの嫁15号が呟く。


勇者国、獣人国、エルフの里はそれぞれの支配者である総督ドモン国王トラオ女王エクレールが身内だし、神聖皇国には食料援助中なので味方をされて当然なのだが、ここで食糧を国外に輸出可能な『帝国』も味方についたのは大きい。


「ミズホ国内の錬金術師ギルド、薬師ギルド、鍛治ギルドも我らの側につくと回答が」

ドワーフ娘の17号が報告する。


ミズホ国内の錬金術師や薬師、鍛治が必要とする魔物素材やアイテム、薬草や鉱石までダンジョン都市“ソロモン”と新ダンジョン都市(仮)から供給されている。


各ギルドにとって商業ギルドに所属する大手商会経由で素材を購入するよりもドモン商会から直接購入する方が安く手に入る。

むしろ商業ギルドの味方についたら巻き添えで素材の供給がStopしかねない。


「味方をする代わりに彼らもショッピングセンターに出店をさせて欲しいと…」

大魔王の側近によって着々と経済支配が進んで行く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る