第461話 聖光

『可愛い、可愛い、抱っこさせて下さいー』

封魔の封印の包帯だらけの木乃伊女フランが大きな声で言って両手を広げる。


土門さんとダイアナの間に産まれた赤ちゃんのアルテミスちゃんの首が据わって来たので皆で代わる代わる抱っこして愛でていた。


「呪われそうなので貴女はダメです」

アルテミスちゃんを抱っこしたカグヤ様がキッパリ言う。


弱体化デバフとかは封印してるから大丈夫ですよぉ』

不死者リッチのフランがアルテミスちゃんとカグヤ様に近づく。


「見た目で呪われそうなのよ!」

『風評被害!』

アルテミスちゃんはさらさらの銀髪に三角形の狐耳、天使のように整った顔立ち、産まれたての時と違ってぱっちり開いたお目目は右が碧、左が黒のオッドアイ、産衣のお尻からはもふもふの尻尾が出ている、はっきり言ってだ。


『どれ、次は吾輩が抱いてやろう』

相変わらず眼帯姿で左手に包帯を巻いた古龍の土龍ビヘーモスがカグヤ様からアルテミスちゃんを受け取る。


『人化した古龍エンシェントドラゴンが良くてなんで不死王リッチはダメなんですか!』

不死王フランがアナスタシアちゃんを抱っこした土門さんに詰め寄る。


「えーと、不死王リッチだから?」

『差別だぁー!』

「いや、差別じゃなくて区別だから…お前、見た目も怖いし」

フランは素だと元聖女なだけあってかなりの美貌だが、弱体化デバフ効果付きなので封印をしたら見た目が不気味な木乃伊マミーになってしまうという残念な女だ。


『あっちも包帯巻いてるじゃないですか!』

ビシっと包帯が巻かれた指で土龍ビヘーモスを指差す木乃伊女フラン

「アレはなんちゃって封印だから…」

土龍ビヘーモスの封印された邪眼や闇の力はそういうでマジもんの封印じゃないから。


『むうっ、じゃあお姉ちゃんのアナスタシアちゃんを抱っこしてあげますねー』

木乃伊女フランは懲りずに両手を広げて、土門さんに抱っこされたアナスタシアちゃんに迫る。


「『聖光ホーリーライト』」

ピカーーー

『ぎゃああああっ』

木乃伊女フランが両目を押さえて床を転げ回る。

聖属性と光属性は不死者アンデッドの大敵だ。


「ヤスアキ、さすがにやり過ぎじゃあ?」

ダイアナがジト目で土門さんを見る。

「いや、今のは俺じゃないぞ」

「えっ?」


聖光ホーリーライト』なんか使える人、土門さん以外にこの部屋にいた?


「この娘、私の子なのにどうやらハイエルフみたいなの…」

アナスタシアちゃんのお母さんのオルガさんがため息をつきながらカミングアウトした。


「えっ、オルガさんハーフエルフだよね、もしかして両親のどちらかがハイエルフだったとか?」

「私の両親もハーフエルフよ」

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