第436話 テレパシー?

「幼なじみの女の子は男の子の考えてる事がちゃーんと読めるのよ」

アイラが言い切った、テレパシーか?

やはり幼なじみ恐るべし、ジムの背中におぞけが走る。

「ヒカル様が『あるみほいる』を頭に巻いたら『てれぱしー』で心を読まれなくなるって言ってたぴょん」

木の棒でダンジョンの壁や床を叩いて罠を探しながら兎獣人のリアが言う。


「その『あるみほいる』と言うのはなんだ?」

馬上槍ランスを手にした馬人族ケンタウロスのベアトリーチェが聞き返す。


「知らないぴょん」

「役に立たない知識だな…」

ジムが肩を落とす。

いや、ジム君、例え君が頭にアルミホイルをぐるぐる巻きにしてもアイラには考えてる事を読まれると思うけど。。。


今日も四人の臨時パーティーでダンジョンを探索している。

ゴールドラッシュの影響でダンジョン内の冒険者達の姿がいつもより多い。


「くそっ、普通のスライムだ」「ちっ、毒持ちか!」「金色のはともかく銀も銅も出ねぇ…」

迷宮管理者リッチのフランは一般冒険者にはサービスしてくれないようだ。


「『エアカッター』」

スパッ チャリン チャリン

ジムの魔法の風の刃で真っ二つになったが数枚の銀貨をドロップする。


「今日はが出ないぴよん」

『(金のインゴット出すとアイシャ様やジェーン様に怒られるんですよ)』


「しかし、私の前には銅色のスライムしか出てくれんな?」

『(いや、貴女達までVIP扱いにはしないから…)』


ダンジョン最下層のコアルームから迷宮内の様子を監視している管理者フランがいちいち突っ込みを入れている。



「あっ、トラオ君?」

婚約者の二人を連れたトラオとばったり出会った。

「がるるる」「ぐるるる」

ビシッ ビシッ

アイラに向かって威嚇して来る小さな猛獣達婚約者の頭にトラオが手刀を落とした。

土門の息子のトラオにとってアイラは義理の叔母に当たるのだ。

「「うー」」

小さな猛獣達婚約者は痛む頭を抱えて唸っている。


「トラオ君、アリシアさん達は一緒じゃないの?」

「んっ」

アイラの問いかけにトラオは自分の足元を指さした、下の階層にいるらしい。


「トラオ君たちだけでゴールドラッシュしてる階層を見に来たの?」

「んっ!」

やはりアイラ嬢は心が読めるのかも知れない。


「んっ」

トラオがマジックバッグから取り出した純金のインゴットをアイラに差し出した。

「えっ、わたしにくれるの?」

「ん」

「なになに、嫁が失礼をしたお詫び?」

「ん」

やっぱり、アイラにはテレパシーか何かあるんじゃないかと疑うジムだった。

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