【詩集】哀しみの鉱山

荒野荒野

哀しみの鉱山

日々、生きていくうち

ぼくは金色に輝く山を見つけた


必死に分け入り、

穴を穿うがち、ようやくぼくは

哀しみの鉱山を掘り当てた


深く深くどこまで掘っても

出てくるのは哀しみだけ

どこまでも純粋な哀しみの鉱石


いつかその向こうに

太陽のように輝く黄金が

眠っていると信じて

いつまでも掘り続けた


やがてぼくは年老いて

爪は剥がれ、肉は落ち

水たまりに倒れこみ

違う山を掘ればよかったと

悔やんでいた


だがなぜぼくは

心の窯で

哀しみの鉱石を

鍛えようとしなかったのか


それは

スコップにも

剣にも

翼にも

なりえただろうに

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