人面コウモリ

話している今なら殺れるかもしれない!


そう思った俺は吸血鬼に折れた剣で攻撃しようと動いたら、吸血鬼であろう女性が俺の目の前に瞬間移動して来て、折れた剣を人差し指と親指でつまむ。


何が起きた、さっきまでそっちにいたはずじゃ…。


そう俺は動揺したが、我を取り戻して折れた剣を動かそうとするがびくともしない。


何で動かないんだ…まさか‥こいつが?


そう思って吸血鬼であろう女性の剣を押さえている手を見る。


すると吸血鬼であろう女性が人差し指と親指に力を入れ、剣にひびが入っていき剣の刃は砕けてしまい、吸血鬼であろう女性は令状のような物を吸血鬼に見せながら言う。


「魔王様の命令です、直ちに城塞都市ネルヘルへ向かうようにとの事です」


すると、吸血鬼は冷静を取り戻して剣を鞘に戻して、落ち着いた口調で吸血鬼であろう女性に言う。


「何故それを先に言わなかった。まぁ良い、ここに来ている部下達を直ちに撤退させ、城塞都市ネルヘルに向かうように言っておけ」


「かしこまりました」


そう吸血鬼であろう女性は返事を返すと姿を消し、吸血鬼が俺達を見ながら言ってくる。


「だが、このまま引き下がるのは不愉快だ。私の代わりといってはなんだが…」


そう言って吸血鬼が手を叩くと、空から髪のない人の顔に、耳ではなくコウモリのような翼が生えた人面コウモリが次々と姿を現す。


人面コウモリが飛んで吸血鬼の元へ降りてくると吸血鬼が俺達に言ってくる。


「貴様らの相手は我が眷属と、お前達の仲間だった喰人にやってもらうか」


「なっ、待て!」


そう俺が言ったら吸血鬼は姿を消し、周りの木々から森で死んだであろう仲間達の死体が、うめき声を出して歩いてこちらへ向かってくる。

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