おかしな人たち

 常日頃から、犬に襲われたらどうするか、今この瞬間に地震が起きたらどう動くか、などという妄想をして生きている私ではあるが、おかしな人にからまれてしまったらどうすればいいのか、未だに結論が出ていない。目の前で、「お前今こっち見てただろ」というやりとりを見たことがある。昭和の話ではない。いくら時代遅れと言っても、そういう可能性はあるのだ。本当に冗談としか思えないことに、巻き込まれてしまうことが、この世にはままある。まあ、謝り倒すしかないと思う。だが、ネットでおかしな人にからまれたらどうすればいいのだろう。


 私の書いた小説が、なんらかの差別的表現を含んでいるだとか、誰かのパクリだとか、その手の言いがかりはいくらでも出来る。私はそれが恐ろしくてたまらない。一度火が付けば、その手の無法を許さない正義の使者たちがゾロゾロやってきて、関係のない野次馬もやってきて、感想欄やツイッターが燃え盛るのだ。いくら謝ろうが、弁明しようが火は消えず、焼け野原になるまでおさまらない。運営からアカウントそのものを消されてしまうかもしれない。そういう可能性が、常に存在することが私は怖いのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る