弱い人間

 恐らく私はろくな死に方をしない。

 己の身を守るため、人と距離を置き、社会からも離れようと画策している。映画を観れば、早く見捨てて逃げろと思うし、ニュースを目にすれば、騙される方も悪いと考えたりもする。


 こういうことをしていると駄目なのである。


 運命だとか、天だとか、神だとか、分からないが、とにかく何かに目を付けられ、確実に悪い方へ向かっていく気がするのだ。それが分かっていながら、私という人間は何も出来やしない。ゆっくりと地獄のようなところに沈んでいながら、手を伸ばそうともしていない。私は弱さという罪で地獄に落ちるだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る