第174話ライブオンオールスターコラボ・監禁人狼7

「ふははははっ! ちゃみ先輩! やったぞ! 仇のタマ取ってやったぞ!」


こ、これは間違いない! 今のエーライちゃんは園長じゃなく組長だ! でもなぜこのタイミング!?


「ええええエーライちゃん!? どうしちゃったの!? ちゃみちゃんとそんなに仲良かったっけ!?」


未だ動揺の真っただ中であるシオンママだったが、司会の意地で組長に問いかける。


「ちゃみ先輩との交流はこれが初めてや、そもそもちゃみ先輩はコラボ自体少ない。でもなぁ、そんなのかんけぇねぇんだよ! どんな経緯だろうと一度盃を交わしたら兄弟なんだよ! 共に戦った家族なんだよ!! うわああああぁぁぁ!!!!」


この女、義理人情に厚すぎる。これが組長の器か。


「おおお落ち着いてくだせぇ組長! あんたが鉄砲玉やってどうすんすか!? あんたは栄来組の組長なんですよ!?」

「いや組長ですらないから、園長さんだからね? あとなんで場への適応がそんなに早いのシュワちゃん?」

「シオンママ、私はエーライちゃんの裏の顔(組長)が初めて世に出たときにすぐ隣にいたんですよ。だからちょっと慣れてるんです」


当時ホラゲを一緒にやった時を思い出す。今思えばあの時に私が受けた衝撃は、あわがシュワになった時にみんなが受けた衝撃と似たようなものだったのかもしれないな。


「ちゃみ先輩はなぁ、いい奴だったんだよ……おバカだけど!」

『おバカだけど』


多分今天国でちゃみちゃんも色んな感情の下泣いてるぞ。

でもようやくあの時ちゃみちゃん庇った理由が分かってきた。一見頭が回るエーライちゃんなら見捨てるのが普通と思ってしまうが、これ多分仲間思いすぎて見捨てるという発想すらなかったんだな……。


「エーライちゃんかっけぇ! 光一生付いていきます!」

「やはりエーライ殿の仲間思いっぷりは見事なものでありますな、同期として誇らしいのであります!」


ほら、こんな絶望的状況で2人もカリスマにやられて寝返ろうとしてるからね?

誰だよこいつを園長って言った奴は出て来いよ! そういうゲームじゃねえからこれ!


「……あ、よく考えたらちゃみ先輩は投票で殺られたわけだから、仇はましろ先輩だけじゃないんか?」


あ、やべっ。


「てめぇら全員このドスで○を○○〇いて○○○○引きずり出してそれで○○〇してやるから覚悟しろやオラアアアアァァァ!!」

「やべーぞ! ライブオンだ!」

「そんなやべーぞレ〇プだみたいに言わないでくださいよ聖様。ほら、光ちゃんと有素ちゃんもゲームに帰ってきて!」

「心配いりませんよ淡雪殿。私は淡雪殿の為なら喜んで鉄砲玉にだってなるのであります」

「ちょっと影響残っちゃってんじゃねーか」

「くっ! エーライちゃんはかっこいいけど、ましろちゃんがやられたのは同期として見逃せないよね、光はしょうきにもどった!」

「それ本当に戻ってる? 某竜騎士みたいにまた裏切ったりしない? ま、まぁいっか、これだけいれば負けないし」


忘れそうになったが今は監獄人狼の議論パートだ。人狼が完璧に特定できた以上、吊らなくてはならない。

エーライちゃん、お覚悟!


「お? 5対1とは悪くない襲撃だな。でもまずはどこのシマのもんかくらい名乗らんかいゴラアアァ!」

「いや、シマはエーライ君と一緒なんだけど……」

「内部抗争でありますな! 次期組長の座は淡雪殿のものなのであります!」

「いらないです」

「ふっ、ふっ、ふっ! そうはいかないよシュワちゃん! 次期組長の座は光のものだよ!」

「ほら、案の定裏切ってるじゃん。血で血を洗う戦いが始まろうとしちゃってるじゃんか」


ま、まぁいいや、とりあえず勝ちが確定しているんだから第一回戦はこれで終わりにしますか!


「多勢に無勢とはこのことだが……私は諦めない! ちゃみ先輩の無念、ここで晴らして見せる! くらえ必殺、ミッキー〇ウスのモノマネ! ハハッ! みんなを夢の国の地下送りに」

『うおおおおぉぉそれはやめろおおおおおおぉぉぉぉ!!!!』


【苑風エーライ・死亡】

【プレイヤーサイド・勝利】


最後にとんでもない自爆特攻を仕掛けてきたエーライちゃんに全員分の投票が集中し、人狼側の全滅によってプレイヤー側の勝利となった。

さ、流石裏の世界を牛耳る組長、あの負け確状況から引き分けに持ち込もうとするとは……死に際まで油断ならねぇぜ……。


コメント

:お疲れ様!

:こんな人狼ゲーム初めて見た……というか最後は人狼ゲームですらなかった

:人狼ゲームを見ていると思ってたらいつの間にか任侠映画になっていた

:組長ほんとすこ

:エーライ組長、舎弟ちゃみの仇を取るべく決死の特攻

:先輩とは……

:ハレルン、とうとうお人形完成でかたったーに画像上げる。そこに映っていたのは等身大の桐〇一馬であった

:は?

:あらゆる予想を超えてくる女

:予想でハードル走するな


さて、ここからは途中殺られた人も合流して、次のゲーム開始までワイワイと感想会の時間だ。

謎だった部分の答え合わせとかもあって盛り上がるから、人狼ゲームはこの時間も楽しいんだよね!

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