第131話昼寝ネコマのクソ映画紹介3

*――――――――*

はれて地球存続を目的とした研究機関の一員となったゴクウ。

真っ先に与えられた仕事はシャンロンの金玉ことゴールデンボールを集めることだ。

現在発見しているゴールデンボールはゴクウが拾ったもの1つと既に研究所が発見していた2つの合わせて3つ。

7つそろえて願いをかなえる……間違えた。地球を救うためにはあと4つのゴールデンボールを集める必要がある。

ゴクウに渡されたのはゴールデンボールが放つ未知の力を探知できるレーダー機器。ゴクウが玉を所持していることもこの機器を使用して分かったらしい。

だがこのレーダー、ただで探知できるほど便利なものではなく、作動するにはある程度ゴールデンボールに近づく必要があった。

ひたすらに行脚を続けたゴクウ、そしてとうとう作動したレーダー! しかしレーダーが指したのはまさかのゴクウの親友のベジータの家であった……。


「わりぃなベジータ、貰っていくぜ。侵入とかオラワクワクすっぞ!」


ゴクウはそう呟くと、研究所からの無線に従って家が無人の時を狙い侵入を決行するのであった。

*――――――――*




「はいストップ」

「なんだにゃ?」


当然の如く語りを続けようとしたネコマ先輩を再び止める。でも流石に許してほしい、ツッコミの時間が必要だ。


「普通に犯罪ですよね? なんでワクワクしてるのこの主人公? 今すぐ本物の方の悟空さんに土下座した方がいいのでは?」

「知らん、続きにGO!」

「おいいいいいぃぃぃ!?!?」




*――――――――*

まずは無線のサポートを借りながらのピッキングだ、少々手間取りはしたがなんとか鍵の突破に成功。

ここからは痕跡を残さないように注意しながらレーダーを頼りに玉探し。

家に入ってから約二十分後、とうとうベジータの部屋にてゴールデンボールを発見した、ミッション完了だ!

しかしその成功によって気が緩んでしまったのが命取りになった、運悪く忘れ物を取りに家に帰ってきてしまったベジータと玄関で遭遇してしまったのだ――。

ゴクウの姿を見て目を丸くするベジータ。やがて、その視線はゴクウの手にあるゴールデンボールへと向かい、全てを察したベジータはファイティングポーズをとった――。


「お、殺し合いか! オラワクワクすっぞ!」


ゴクウは地球の未来を守るため。ベジータは目の前の犯罪者をこらしめるため、互いの正義が拳となりぶつかり合う!


「この、バカヤロー!!」


ゴクウの悲痛な叫びが響き渡る。

ゴクウ、ベジータを撲殺! これで地球の生存に一歩近づいたぞ!

*――――――――*




「よーし、このくらいで一区切り! どうだいシュワちゃん! ここまでの感想は?」

「クソやん」

「うん、そりゃあクソ映画だからね」

「いや、ここまで人間の道徳観から逸脱した行動あります? なんでこの主人公は住居侵入罪、窃盗罪、殺人罪の犯罪三段活用してるの? しかもなんでそのことに一切疑問を持ってないの? 絶対もっと方法あったでしょ!」

「地球を守るためには手段なんか選んでられないんだよ!」

「いや絶対この主人公罪悪感を失ってるでしょ? むしろ楽しそうだったど? てかなんで撲殺までした……」

「証拠隠滅大事」

「これはそういう問題じゃないでしょ」

「うんうん、この不条理な世界観が理解できないのは分かるよ。でもね、これがゴールデンボールレボリューションなのさ」

「いやそんなキメ台詞みたいに言われても……せめて幼馴染の美少女の家に下着泥棒に入ったのがバレて『盗むぐらいなら直接見てよ!』みたいな感じで両思いが発覚してズッコンバッコンする展開なら良かったのに」

「ぇ……」

「おいこら、さっきも思ったがドン引き芸をして私をオチ要因にするのはやめたまえよ」

「バレたか! ごめんごめん、シュワちゃんいい反応するからネタを振りたくなっちゃうんだよ。さっきのもこの汚物ジャンキーことネコマが卵子程度で引くわけないぞ!」

「それもそれでどうなのかな……」


コメント

:見れば見る程酷いなこの映画www

:主人公サイコパス過ぎて草

:この映画にこの主人公あり

:撲殺したらだめなんですか? こんなにオラと地球人で意識の差があるとは思わなかった…! これじゃ、オラ…地球を守りたくなくなっちまうよ

:ミストさんはスパロボKYの世界に帰ってどうぞ

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