(三)‐24

「こちら指令室のトルゲ・ハネルだ。こちらでも観測した。お疲れ様、作戦は成功だ」

 トルゲの声の他に、無線からは司令室にいる無数の人たちの歓喜の声が聞こえた。

「見ろよ、俺らのウンコが燃えているぜ」

 ジョージとは別の窓からカメラのシャッターを押しながらシッコが言った。

「その言い方は止めなさいよ、せっかく宇宙にいるんだからさ」

 実験室に引きこもっているチッチの声がインカム越しに聞こえた。

「地上では流れ星だって、今頃大騒ぎでしょうね」

ケンが言うと、ジョージが言った。

「ああ、彼らの祈りの先にあるのは、夜空に光り輝くまばゆくきらめくウンコ、ってわけだ」

「ただ単なるゴミの焼却処理に過ぎないんだけどね」とケンが続けた。

 窓の外の火の玉はどんどん大きくなった。やがて中心部の物体は粉々になり、次第に火球は小さくなっていった。


(続く)

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